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<『Dear KAZU』出版記念> アルシンド 「ピッチ上の存在感は桁違い」 ~カズへの6通のエール~
text by
藤原清美Kiyomi Fujiwara
photograph byDaisuke Ito/Kazuaki Nishiyama
posted2011/12/19 06:00
『Dear KAZU 僕を育てた55通の手紙』刊行特別企画。
時に頼れる味方として、時に警戒すべき相手として、
同じピッチに立った6人の選手が送る6通のエール。
最終回となる今回は、カズと共にJリーグ草創期を
代表する人気選手の一人として活躍した
アルシンド(元・鹿島アントラーズ)からのメッセージです。
僕が鹿島アントラーズでプレーしていた時は、カズの所属するヴェルディ川崎は、最大のライバルだった。その中でも、ブラジル仕込みのカズは、ピッチの中でも外でも、他の選手とは違った存在感を放っていたね。ブラジル人みたいな日本人のカズがいるかと思えば、日本人の血が流れてるんじゃないかと思えるブラジル人のラモス瑠偉がいて、当時のヴェルディは、面白いチームだったね(笑)。
カズはイタリアでプレーした時期もあったけど、僕がヴェルディに移籍した'95年には帰国していたから、そこで一緒にプレーしたのは、特別な思い出だよ。
カズが監督になったら僕を呼んで欲しい(笑)。
僕は今、パラナ州で農場をやっている。父の農場を引退後に引き継いだんだ。大豆やとうもろこし、その他の農産物の取引をするために、会社も始めて順調にいっているよ。
サッカーも続けているよ。街のアマチュアチームの監督をしていて、プロサッカーの世界に戻る準備も出来ている。日本に監督として帰れるなら、喜んでそうしたい。
そうだ、カズはあれだけの経験をしているし、インテリジェンスがあるから、いつか引退したら、監督になるのがいいと思う。カズのようなアイドルがサッカーを離れてしまうのはもったいないからね。その時には、チームを一緒に指導するために、僕を呼んで欲しい、ということも、メッセージに加えておこうかな(笑)。
文藝春秋BOOKS
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