ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
ドルトムントが史上最高利益を記録!
育成&勝利を両立させたクラブ運営。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2011/12/09 10:30
若手の抜擢と情熱的な指導には定評のあるクロップ監督。今季序盤は躓いたものの、若い才能とともに連覇を目指す
選手が気持ちよくプレーできる環境作りを重要視。
ドルトムントのスカウト陣はドイツ国内でも高い評価を受けているのだが、彼らにとって成長途上の若い選手を口説くのは、実はそれほど困難ではない。すでに若い選手たちがクロップ監督のもとでのびのびとプレーしており、今季もここまで平均80314人の観客動員数を誇る魅力的なスタジアムもある。そんな環境でプレーしたいと思う選手は、当たり前だが少なくないからだ。
自身の出身クラブであるバイエルンからのオファーを断り、2014年6月末まで契約を延長したフンメルスはクラブの未来を描いている。
「僕たちは確実に成長を続けているからね。まぁ、チャンピオンズリーグでは結果が出ていないけど、それも時間と経験が必要なんだと思う。クロップが来てから6位、5位、優勝と、少しずつ前進してきた。それと同じことさ。将来に向けて、不安はないよ」
ゲッツェ、スボティッチ、グロスクロイツ、バイデンフェラーといった中心選手たちも、すでに2014年まで契約を延長している。この強さはまだ続きそうだ。
バイエルン以外は達成していない連覇も射程圏内。
ダービーでの勝利と共に首位に浮上したドルトムントは、ボルシアMGと引き分けたことで、1週間にしてバイエルンに首位を明け渡してしまったが、後半戦にむけて心強い事実もある。
15節を終えた時点で上位半分にいるチームの中でシャルケと昇格組のヘルタ・ベルリンを除く6チームとの後半戦の対戦はすべてホームゲームなのだ。
最近4試合で16得点、1失点と抜群の成績を残すホームゲームで、ライバルと戦えるのだ。そのアドバンテージは大きく、後半戦にさらに順位を伸ばしたとしても不思議ではない。
「あと2試合をしっかりと取りこぼさないようにして、今年の前半戦を終えたい」
こう香川は話しているが、前半戦でバイエルンと勝ち点を引き離されなければ、過去10シーズンでバイエルン以外は成し遂げていない連覇も見えてくる。