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ドルトムントが史上最高利益を記録!
育成&勝利を両立させたクラブ運営。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2011/12/09 10:30
若手の抜擢と情熱的な指導には定評のあるクロップ監督。今季序盤は躓いたものの、若い才能とともに連覇を目指す
30歳以上で高額移籍金がかかる選手には手を出さない。
バイエルンは今季開幕前、GKノイアーを始め選手の獲得に4380万ユーロも投じたが、ドルトムントが支払ったのは、ペリシッチやギュンドガンなどの移籍金1060万ユーロに過ぎない。金額には大きな差があるが、現在は勝ち点1差で首位を争っている。
ドルトムントは原則として30歳以上の選手や高額の移籍金のかかる選手には手を出さず、若くて、ハングリー精神があり、成長できる可能性を秘めた選手を獲得して、育てるというポリシーを掲げている。
今シーズンはチャンピオンズリーグに出場した上に、昨季は2回戦で敗退したドイツカップでも勝ち残っている。
さらに、来季からはユニフォームサプライヤーがプーマに代わる。しかも、異例の8年という長期契約だ。今後、さらに利益を伸ばしていったとしても不思議ではない。
次代のスター選手候補、18歳のアミニと17歳のビッテンコート。
もちろん、「スター選手を作り上げる」という方針を推し進めるための手はすでに打たれている。主力選手との契約延長は大半が終わり、すでに来季以降にむけた2人の若き才能の獲得も決まっている。
1人はオーストラリアの新星、18歳のアミニ。
4年契約を結ぶこととなった。昨季終盤にはチームの練習に参加させてプレースタイルのみならず、人間性までもチェックしている。
もう1人が、ドイツ2部のコットブスで活躍する17歳の天才MFビッテンコートだ。
ドイツ人とブラジル人のハーフで、ドイツのU-19代表でプレーしている。こちらも4年契約だ。
さらに、現在はドイツ2部で首位争いを続けているデュッセルドルフでプレーするドイツU-21代表のMFバイスターにも触手を伸ばしていると言われる。