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実は劇的に成長していた岡崎慎司。
シュツットガルトで“点取り屋”宣言!
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2011/10/28 10:30
ホッフェンハイム戦で得点した時の岡崎慎司。自らのブログで「サイドでプレーをするのが嫌とかではなく。気持ちすらが、サイドプレーヤーになってた自分に腹がたったんよな」と綴っていた直後の得点だった
「叩いて欲しい」発言は点取り屋としてのプライドだ。
タジキスタン戦後に、自らを「叩いて欲しい」とまで語り、ストライカーとしてのプライドを口にしたのも、現在のシュツットガルトでの心境の変化と無関係ではない。
「こっちに来てからプレーの幅を広げようとか、色んなことを考えていたんですけど、やっぱり、俺はストライカーやから。今はサイドにいるけど、いつでも点をとれるというのは見ていてもらいたいので。だから、『点がとれなかったときに叩いて欲しい』というのは、あのときに自然に出てきたと思うんですよ」
しかし、どうしてもゴールを決められないのかと批判されれば、想像以上のプレッシャーがのしかかってくる。先日の代表戦の際には、香川に対して批判が集まっていることを受けて、チームメイトがそうした批判の影響を心配していたほどだ。
「毎試合、点をとりにいきます」とストライカー宣言。
岡崎とて、大きな批判やプレッシャーを受ければ、プレーに悪い影響が出るのではないか。そうたずねると、少し笑みをこぼして岡崎はこう答えた。
「これまでは、そういう声をずっと気にするタイプだったんです。でも、今はもう、全く気にしなくなったんですよ。そもそも、点をとれないときに一番悔しい思いをするのは俺ですから」
1ゴールを決めるために岡崎が費やしている時間は198分。このデータは、シュツットガルトの中で最もゴールに費やす時間が短い選手は日本人ストライカーだと証明している。
岡崎がドイツにやってきて、MFとしてのプレーをこなしながら、改めて気がついたのが自分は生粋のストライカーだという事実だ。
「やっぱり、ゴールを獲り続けないと。毎試合、点をとりにいきますよ」
自らの考えが正しいことを証明する戦いは始まったばかり。ただ、それは夢物語ではない。そう思わせるだけの余裕と気迫が今の岡崎には同居しているのだ。