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実は劇的に成長していた岡崎慎司。
シュツットガルトで“点取り屋”宣言!
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2011/10/28 10:30
ホッフェンハイム戦で得点した時の岡崎慎司。自らのブログで「サイドでプレーをするのが嫌とかではなく。気持ちすらが、サイドプレーヤーになってた自分に腹がたったんよな」と綴っていた直後の得点だった
何度シュートを外しても、ゴールを狙い続ける積極性。
かつてヴォルフスブルクでプレーしていたエディン・ジェコは、加入当初はシュートを外してばかりだった。同僚の長谷部誠はこれ以上シュートを打ってどうするのかと感じることもあったという。それでもジェコは気にせずにシュートを打ち続け、成長し、ブンデスリーガの得点王に輝いたのちにイングランドのマンチェスター・シティへと活躍の場を移していった。
いくらシュートを外しても、最終的に決めればいい。ヨーロッパで活躍するストライカーのような境地を岡崎は開拓しつつある。
「シュートのところには必ず顔を出すようにしてます。例えば、必ず、右からのクロスのときには(左サイドでプレーする自分が)絶対にファーサイドにいるっていうのは、かなりキーワードにしているから。きつくても、そういう動きをしっかりと続ければ、ブンデスリーガでは絶対に点をとれると思う」
「点をとれればOKだ! とポジティブに考えています」
今年1月に加入した当時、岡崎はゴール以外での仕事について、たびたび課題に挙げていた。守備のバランスを意識することやボールを受けて攻撃の組み立てに参加することなどがそうだ。当時は、「ダイビングヘッドはしばらく封印してもいい」とまで話していた。
「こっちに来た時にはサイドで起用されるから、求められることも多くて、FWの気持ちを忘れていたというか、色んなことをやろうとしすぎていたから。でも、今は違います。点をとれなかったらダメ。点をとれればOKだ! とポジティブに考えていますね」
今シーズンになって、ゴールへの意識を強めるようになったのは理由がある。ゴール以外の仕事は高いレベルでこなせるという自信があるからだ。
残留争いを強いられていた昨シーズン、岡崎の初ゴールは第33節まで待たなければいけなかったが、リーグへの選手登録が認められた第23節以降の全ての試合にスタメンで起用されていたのは、ゴール以外の仕事を全う出来ていると監督が考えているからだ。
岡崎の活躍を高く評価するフレディ・ボビッチGMは先月も日本にスカウトを送り込み、第2の岡崎探しに動き始めている。