オフサイド・トリップBACK NUMBER
袋小路に追い詰められた名将の矜持。
ベンゲルとアーセナルは復活するか?
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph byGetty Images
posted2011/10/01 08:02
「(辞任するのではないかとの声に対し)噂などには惑わされないつもりだ。これからチームを再建する」と宣言したベンゲル。クラブのチーフエグゼクティブであるイヴァン・ガジディスは「(監督解任は)考えていません。突然彼が無能な監督になるということはないのですから」とベンゲルの更迭が無いことをコメントしている
一時代を築いたベンゲル自身が再建を成し遂げるべきだ。
どんなクラブにも明けない夜はない。ダルグリッシュの下で復調してきたリバプール然り。2部から1部に這い上ってきた頃のマンU然りである。
ただしサッカー界では、「待っているだけでは夜は明けない」のも事実。アーセナルでも、いつかは誰かが何らかの手を打たなければならない。ただし、それはあくまでもベンゲル本人であるべきだ。問題を解決する能力と責任を持っているのは、彼をおいて他にいないといってもいい。
監督に就任して以来、初めて直面した「最大級の危機」。しかもウィルシャーの故障により、選手層はさらに薄くなってくる。名将ベンゲルはいかにしてこの窮地を脱し、アーセナルを再建していくのか。一世一代の腕の見せ所はここからである。