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代表で絶好調、ブンデスでは絶不調。
クローゼとポドルスキの深刻な悩み。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2009/12/09 10:30
W杯歴代得点王の期待がかかるクローゼだが、バイエルンではゴール欠乏症に悩む
ドイツ統一から20年後、2010年に行なわれる南アフリカW杯でのドイツの目標は優勝である。
本大会出場を決めた直後にヨアヒム・レーブ監督が明言して、この国は一つになった。
「代表監督としての私の目標はもちろん、W杯優勝だ」
本大会のグループリーグで対戦する相手は、オーストラリア、セルビア、ガーナに決まった。レーブ監督はガーナを警戒しつつも「もっと悪い組み合わせになる可能性もあったわけだから……」と語り、フランスやポルトガル、コートジボワールといった強豪国とグループリーグで対戦せずにすんだことで、胸をなでおろしているようだ。フランツ・ベッケンバウアーも「ドイツとガーナが決勝トーナメントに進出するだろう」と見ている。
前回のW杯では3位。昨年のEUROでは2位。次のW杯では優勝だろう――。ドイツ国民の期待は膨らんでいる。代表のトップ下で攻撃を司るエジルの成長も、期待をさらに高めている。ブンデスリーガのアシストランキングではトップを走り、得点ランキングでも3位タイにつける。『キッカー』誌による11月の月間MVPにも輝いた。
ドイツ史上最強の得点源はW杯でゴールを揺らすか。
本大会でのドイツのフォーメーションは4-2-3-1となる可能性が高い。オプションとして4-4-2で戦うことも考えられる。いずれの場合でも、FWの選手でスターティングメンバーに名を連ねるのはミロスラフ・クローゼとルーカス・ポドルスキの二人になりそうだ。2トップなら二人が前線に並び、1トップならばクローゼがセンターフォーワードに、ポドルスキが左MFに回る。
二人の代表での実績は、申し分ない。
クローゼは現役のドイツ代表の中で最多となる48ゴールをマークしている。歴代でも3位の成績だ。さらにW杯での通算得点は10を数える。
「ゲルト・ミュラーが(通算)14点、ロナウドが15点。次の本大会で僕が5点を決めれば、W杯歴代の得点王になれるんだ」
来年のW杯にかける思いは強い。今回のW杯予選でチーム最多の7ゴールを決めており、本大会出場を決めたロシア戦でも決勝点をマークした。代表のエースとして申し分のない成績だ。
ポドルスキはどうか。彼もクローゼには負けていない。1試合あたりの平均ゴール数は現役のドイツ代表選手のなかでは最多で、歴代でも3位に入る。2009年に行なわれた代表戦に限れば、彼はチーム最多の6ゴールを決めている。左MFとして起用されることが多いことを考えると、驚くべき成績だ。
「本大会に参加する以上は、優勝を目標にしなくちゃならないんだ」と頼もしいコメントを残している。