ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
代表で絶好調、ブンデスでは絶不調。
クローゼとポドルスキの深刻な悩み。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2009/12/09 10:30
W杯歴代得点王の期待がかかるクローゼだが、バイエルンではゴール欠乏症に悩む
W杯では得点王候補、ブンデスではベンチウォーマー!?
実績十分の選手たちが前線にいるのだから、ドイツ代表に不安はないのか?
いや、そうではない。クローゼとポドルスキが今まさに、不安の種となっているのだ。
クローゼは今季のリーグ戦で、一度もゴールネットを揺らしていない。バイエルン・ミュンヘンでの立場も微妙だ。現在、FWとしては4番手から5番手。
先日のボルシア・メンヒェングラードバッハ戦では、こんなシーンがあった。後半25分過ぎ、1-1の状況で、クローゼはベンチコートを脱ぎ、ユニフォーム姿になって交代出場する準備をしていた。しかし、その間にバイエルンに勝ち越しゴールが生まれてしまう。守備を固めるため、クローゼの交代は取りやめになった。ベンチへと戻るようにルイス・ファンハール監督にうながされると、クローゼの表情は固まってしまった。監督が必死に事情を説明しようとするが、クローゼは目を合わせようともしない。ファンハールが強引にクローゼの肩を抱く。無理やり彼の視界に入って語りかけていたが、クローゼの目は遠くに向けられているかのようだった。
もう一方は881分間ゴールなし。このふたりに任せていいのか?
ポドルスキも重症だ。所属する1FCケルンでは881分間ゴールがなく、10月24日のボルシアMG戦から284分間にわたりシュートすら打てない時期もあった。14試合を終えてチーム全体リーグ最低の7得点しかあげられていない不調のケルンを象徴する選手となっている。
「もちろん、自分の出来には満足できないよ。(周囲の期待を)プレッシャーとは感じていないんだけどね」
コメントも歯切れが悪い。
所属チームでこれほどまで活躍していない選手に頼って、本当に大丈夫なのか。不安は残る。
リーグで好調を維持しているFWは、他にいる。だが、彼らが本大会でレギュラーに選ばれる可能性は低い。