ベースボール・ダンディBACK NUMBER
エラーの数では分からない、
2009年「本当のチーム守備力」。
text by

田端到Itaru Tabata
photograph byNaoya Sanuki
posted2009/12/27 08:00
'09年度のセ・パ両リーグのDER順位を並べてみると……。
実際は本拠地球場の広さも違うわけで、このDERをすべて守備力に結び付けていいのかという問題もあるが(また投手力が弱ければ、野手の間を抜ける打球を打たれやすくなるはずで、それは守備の責任ではない)、失策数よりはチーム守備力を示す指標として説得力がある。
'09年の各チームDERと、そのリーグ順位を表にまとめた。
| DER | 失策 | |
|---|---|---|
| 巨人 | 0.703 | 84 |
| 中日 | 0.700 | 84 |
| ヤクルト | 0.697 | 57 |
| 阪神 | 0.688 | 86 |
| 広島 | 0.685 | 100 |
| 横浜 | 0.677 | 99 |
| DER | 失策 | |
|---|---|---|
| 日本ハム | 0.702 | 55 |
| 西武 | 0.689 | 68 |
| 楽天 | 0.6828 | 62 |
| ソフトバンク | 0.6827 | 79 |
| ロッテ | 0.672 | 70 |
| オリックス | 0.670 | 74 |
セは巨人、パは日本ハムが1位。どちらも優勝チームがトップにきた。
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さらにセ・リーグのDER順位は、ペナントレースの順位とまったく同じ。パ・リーグも2~4位が入れ替わっているだけ。これほどまでDERとペナントの順位が一致するのは珍しい。
たまたまか、必然か、守備力がそのまま順位に直結したシーズンだった。
4年連続でリーグ1位の守備力を誇る日本ハム。
'06年以降のチームDERの順位も一覧表にまとめてみた。
| '06年 | '07年 | '08年 | '09年 | |
|---|---|---|---|---|
| 巨人 | 4位 | 1位 | 3位 | 1位 |
| 中日 | 1位 | 3位 | 6位 | 2位 |
| ヤクルト | 6位 | 2位 | 1位 | 3位 |
| 阪神 | 3位 | 5位 | 5位 | 4位 |
| 広島 | 2位 | 4位 | 2位 | 5位 |
| 横浜 | 5位 | 6位 | 4位 | 6位 |
| '06年 | '07年 | '08年 | '09年 | |
|---|---|---|---|---|
| 日本ハム | 1位 | 1位 | 1位 | 1位 |
| 楽天 | 6位 | 6位 | 6位 | 3位 |
| ソフトバンク | 3位 | 2位 | 4位 | 4位 |
| 西武 | 4位 | 3位 | 5位 | 2位 |
| ロッテ | 5位 | 4位 | 3位 | 5位 |
| オリックス | 2位 | 5位 | 2位 | 6位 |
目をひくのは、日本ハムのすごさだ。'06年以降、4年連続のリーグ1位。'07年には72.1%、'08年は71.4%と、広い札幌ドームを本拠地にしながら数値もきわめて高い。
今季はゴールデングラブ7人受賞が話題になったが、もともと守備力は高く、むしろ今季の70.2%は日本ハムとしては低いほうである。金子誠などはもっと早くゴールデングラブを受賞するべきだった。
楽天にも注目して欲しい。チーム誕生の'05年以降ずっと6位が続いていたが、今季は3位までジャンプアップ。守備力の強化がうかがえる。ただし、68.3%はまだまだ「守備がいい」と言えるレベルではなく、ここが日本ハムとの大きな差になっている。
