詳説日本野球研究BACK NUMBER
故障者続出で不調の巨人だが……。
大田、藤村に未来の常勝軍団を見た!
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/06/02 10:30
5月25日、26日のソフトバンク戦、2試合連続の3安打猛打賞で存在感を見せた藤村大介。近い将来、ジャイアンツ打線不動の1番打者になる素質を秘めている
大田20歳、藤村21歳……大きな未来が広がる巨人。
◇5/25 ソフトバンク戦
[1]左安打4.40秒、[2]一塁ゴロ4.45秒、[3]中安打4.08秒、[4]中安打4.09秒
◇5/26 ソフトバンク戦
[1]中安打4.14秒、[2]バント安打3.72秒、[3]三振、[4]中安打4.08秒
※ [ ]内数字は打席数
ちなみに、二軍の開幕戦では第4打席の遊撃ゴロのとき4.10秒で一塁を駆け抜けている(あとの4打席は2つの四球と、2つの三振)。藤村がいかに足を緩めず全力疾走を続けているかわかる。
全力疾走とは「全力プレー」でもある。精神に緩み・弛みがないことをこれほど現すものはないと思う。
3、4番の中軸とともにチームの骨格を決めるのが1、2番である。とくに1番打者に人材を得たチームは強い。古くは与那嶺要がいた第2期黄金時代の巨人、柴田勲がいたV9巨人、福本豊がいたV3阪急、石毛宏典、辻発彦がいた西武など、黄金時代を築いたチームには必ず有力な1番打者がいた。藤村はそういう歴史に名をつらねる存在になれる素材である。
大田20歳、藤村21歳――これほど若く可能性を秘めた1、4番候補が揃うチームは巨人以外にない。だから、巨人の試合は球場で見たい気分にさせられるのである。