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バルサ4度目のCL制覇を陰で支えた、
プジョルとアビダルの見えない功績。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2011/05/30 12:30

バルサ4度目のCL制覇を陰で支えた、プジョルとアビダルの見えない功績。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

プジョルから渡されたキャプテンマークを左腕に巻き、チームで最初にビッグイヤーを高々と掲げたアビダル(右)と、驚異的なパス成功率でゲームを支配したシャビ

キックオフ直前、先発はプジョルからマスチェラーノへ。

「このクラブは1つの家族。今日そのことを目で見て、肌で感じることができた。支えてくれた全ての人々に感謝したい。ずっと5月3日を目標とし、みんなのおかげで困難な時期を乗り越え、そのレアル・マドリー戦でプレーすることができた。特にドクターには感謝している。彼は僕がウェンブリーでプレーできると保証してくれた。今日ここにいられるのは彼らスタッフの仕事のおかげなんだ」

 試合後アビダルは、感無量の表情で周囲の支えに対する感謝の気持ちを語っていた。

 一方、残念でならなかったのがカルレス・プジョルの先発落ちである。

 キックオフの約1時間前、発表された先発メンバーの中にはプジョルの名前があった。だが、まもなくその名前はハビエル・マスチェラーノに入れ替えられる。理由は1月末から戦ってきた膝の違和感だった。

 これまで何度も医師の見込みを上回るスピードでケガを乗り越えてきたプジョルだが、今回は復帰間近と言われ続けながらも違和感が消えず、ひたすらに個別調整を続ける日々が続いた。それでも指揮官に必要とされたクラシコ4連戦では膝の痛みも3カ月のブランクも感じさせず、持ち前の気迫溢れる守備でレアル・マドリーの快速アタッカー陣を抑え込んだ。しかし、その後も膝の痛みは消えなかった。

アビダルにビッグイヤーの受け取り役を譲ったプジョル。

 結局、決勝ではマスチェラーノとアビダルに代役を任せ、自身は88分から途中出場。試合終了までの数分間をピッチで堪能するにとどまった。この試合に向け必死の調整を続けてきただけに、勝ったとはいえ複雑な気持ちもあったことだろう。だが彼は、そんな状況で男として、キャプテンとして模範的な行為を見せてくれた。トロフィーの待つ貴賓席へと上る際、アビダルに自身のキャプテンマークを手渡し、ビッグイヤーの受け取り役を譲ったのだ。

 さらにプジョルは試合後、アビダルと同じく今季途中にがんが発覚したベティスのDFミキ・ロケへの応援メッセージが入ったTシャツを着てテレビのインタビューを受け、「このカップをミキに捧げたい。彼は非常に困難な時を過ごしているけど、全てうまくいくと信じている」とメッセージを送った。そしてこの時初めて、近日中に膝を手術することを明かしたのだった。

 そんなキャプテンの行為に対し、グアルディオラ監督は試合後の会見でこの日一番の賛辞を送った。

【次ページ】 「プジョルはこのチームが何たるかを示してくれた」

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