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検証! ACLで日本勢敗退の理由。
拮抗するアジア強豪チームとの実力。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKenzaburo Matsuoka/AFLO

posted2009/11/10 10:30

検証! ACLで日本勢敗退の理由。拮抗するアジア強豪チームとの実力。<Number Web> photograph by Kenzaburo Matsuoka/AFLO

 国立競技場の夜に響いたのは、日本語ではなくハングルの叫びだった。11月7日に行なわれたAFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)決勝で、浦項スティーラーズ(韓国)がアル・イテハド(サウジアラビア)を2-1で退けたのである。韓国勢のアジア制覇は'06年以来3シーズンぶりで、浦項は12月に開催されるFIFAクラブワールドカップの出場権を得た。

 今シーズンからファイナルが一発勝負となり、その舞台が国立競技場に決定したことで、Jリーグ勢が決勝に進出できるかどうかが注目を集めてきた。'07年に浦和、'08年にはG大阪がチャンピオンに輝いており、決勝進出はもちろんJリーグ勢による3連覇も期待されていた。

 しかし結果は、名古屋のベスト4が最高である。Jリーグ勢が優勝カップを掲げるためのホームアドバンテージは、生かされないままに終わってしまった。いくつかの要因が、複合されたことによる結果だった。

Jのクラブがベスト16で潰し合いをすることになった“不運”。

 今シーズンから出場クラブが「32」になったことで、Jリーグには国別で最多の「4」枠が振り分けられた。出場クラブ数の増加は優勝の可能性をアップさせると思われがちだが、今大会独特のレギュレーションが状況を複雑にしていた。

 グループステージとラウンドオブ16は、東アジア、東南アジア、豪州による“東地区”と、湾岸及び中東諸国と中央アジアによる“西地区”に分けて行なわれた。

 ふたつの地区がそれぞれにベスト4を決め、合計8チームによる準々決勝からアジア全土の戦いが始まるイメージだ。

 果たして、鹿島、G大阪、川崎F、名古屋の4チームが揃ってグループステージを突破すると、G大阪と川崎Fがラウンドオブ16で激突した。ベスト16の時点で、Jリーグ勢同士がきっちり勝ち上がっていったゆえの潰し合いが生まれてしまったのだ。

 G大阪を下した川崎Fは、準々決勝でも名古屋と対戦した。日本、韓国、ウズベキスタンの3か国が2チームずつを送り込んでいたなかで、同国対決は川崎F-名古屋だけだった。Jリーグ勢が天の配剤に恵まれなかった印象は強い。

たび重なる選手退場がチームプランを乱すことに。

 不運に見舞われたチームもあった。

 ラウンドオブ16でFCソウル(韓国)と対戦した鹿島は、2-1で迎えた64分に小笠原が退場となり、残り30分以上を10人で戦うことになった。78分に追いつかれながらそれ以上の失点を許さず、PK戦まで持ち込んだのは、精いっぱいの抵抗だっただろう。

 退場劇に泣いたのは、名古屋も同じである。

 アル・イテハドとの準決勝第1戦で、前半開始7分にしてセンターバックが一発退場を食らったのだ。ストイコビッチ監督にすれば、ゲームプランが狂うなどという表現でも足りなかったに違いない。

 2-1で前半を折り返したものの66分に追いつかれ、77分に逆転されてからはサンドバック状態となる。2-6の大敗を喫したこの試合で、決勝進出は事実上絶たれていたと言っていい。

【次ページ】 アジアを楽勝で勝ち抜くほど、Jのクラブに実力は無い。

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