プロ野球亭日乗BACK NUMBER
甲子園も昔は震災被害にあった……。
今こそ阪神は収益からの支援策を!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2011/05/01 08:00
写真は2008年の真弓明信監督就任時。株式会社阪神タイガースの経営陣のふたり、坂井信也オーナー(左)と南信男社長(右)は、阪神タイガースのトップとして東日本大震災に対し、どのような支援を行うつもりなのだろうか?
球団収益からの継続的な支援策を。
阪神では選手会長の新井貴浩内野手(34)が「気持ちが薄れていってはいけない。被災地のことを思い続けてプレーしていきたい」と今季の本塁打1本につき10万円、1打点につき5万円を義援金にすることを表明するなど、選手間では継続的に自分のお金での支援の動きがある。
その一方で球団は選手、OBによる募金活動などは行っているが、球団の収益からの継続的な支援活動については、表立った動きはない。
揺れに揺れた開幕問題では、巨人だけでなくこの阪神と広島、中日の4球団が3・25開幕を強く主張した。震災の影響もなく、電力問題もなかった東海地区以西のチームが、予定通りに開幕しようとしたことは決して悪だと断ずることはできないはずだ。
ただ、それなら同時に、元気な西が東を支える――その心意気もあっていいはずだ。
いま、野球をやるということは、決してこの期に及んでも自分たちの利益だけを求めるのではない。プロ野球という日本有数のスポーツイベントの持っている力を示すことであり、その余力を持っている数少ない球団が阪神のはずなのだ。
球団では募金活動などの支援については、今後も随時、発表していくとしている。だからそこにいつか、自前の支援スキームが加わることを願ってやまない。
今こそ立ちあがれ! タイガース!!――である。