「長く日本の野球が世界のトップであり続けるために」
昨年10月に就任した侍ジャパンの井端弘和監督が課され、掲げ続けている命題だ。
2026年春に第6回WBCが、'28年夏にはロサンゼルス五輪が控えるため、11月9日に開幕する第3回プレミア12では、2連覇だけでなく育成面での成果も期待されている。
この大会に出場する国と地域は、「WBSC(世界野球ソフトボール連盟)野球世界ランキング」の上位12チーム('23年12月31日時点)。このランキングは、直近4年間のWBSC主催または公認大会の成績をもとにポイントを集計。FIFAなどの世界ランキングと異なり、トップカテゴリーの大会だけでなく、U-12、15、18、23といった年代別大会も含むことが大きな特徴となっている。日本は長らく1位を堅持しており、昨年のWBCとU-18W杯、今年のU-15W杯とU-23W杯で優勝したこともあり、2位のメキシコに約1600ポイントの差をつけている。
しかし、だからといって「優勝して当然」でもなければ「本気になっているのはアジアだけ」でもない。この大いなる誤解はMLBが「メジャー40人枠」の選手の出場を認めていないことが背景にあると思われるが、優勝までの道のりはこれまでよりも遥かに険しい。それは、他国がかつてないほどの戦力を揃えているからだ。
この大会には若手有望株の登竜門的要素もある。ワールドシリーズでドジャースの4番を務めたテオスカー・ヘルナンデスは第1回大会にドミニカ共和国代表として出場。前回大会で日本が唯一黒星を喫したアメリカ代表では、今季39本塁打を放ったブレント・ルッカー(アスレチックス)、アレク・ボーム(フィリーズ)、ジェイク・クローネンワース(パドレス)の3人がすでにオールスタープレーヤーだ。
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