大谷翔平がグラブと帽子をぶん投げたWBCのあの歓喜から、半年余りが経過した。11月16日から始まる『アジアプロ野球チャンピオンシップ』(東京ドーム)で新たな侍ジャパンが始動しようとしている。
3年後の2026年にはディフェンディングチャンピオンとして臨む第6回WBCが控え、さらにその2年後の'28年に行われるロサンゼルス五輪で野球とソフトボールが実施されることも決まった。
だが、この2大目標に向けて動き出すチームの監督選任を巡っては、さまざまな名前が新聞報道でも取り沙汰され、難航していることをうかがわせた。その中で最終的にその役割を担うことになったのは、東京五輪で内野守備・走塁コーチとして金メダル獲得に貢献し、アンダー世代のU-12を指揮する井端弘和だった。
しかも監督としての契約は1年毎に更新するというこれまでにないスタイルで、当面は2024年に予定される『WBSCプレミア12』大会まで指揮を執る前提での就任となった。
「迷いました。でも、最終的には強化委員会で自分の名前を出していただき、推してくれる人がいた。僕はプロでの監督経験もないですし、U-12からU-15と色々な経験を積んで、そこから上を目指そうという考えは正直あったんですよ。それを飛び越えてきた感じですね。でもこれも経験ですし、思っている通りにいかないのが人生かな、と。その中で自分自身も成長できればいいと思いました」
当面は『アジアプロ野球チャンピオンシップ』で24歳以下の選手を中心としたチームを編成して、来年の『プレミア12』へと繋げていく。今回招集されたメンバーは、投手では楽天の早川隆久に西武の隅田知一郎、阪神の及川雅貴、桐敷拓馬、野手でも阪神の佐藤輝明や巨人の秋広優人、日本ハムの万波中正に中日の岡林勇希らフレッシュな顔ぶれが揃い、こうした若い選手たちを5年後の日の丸の戦力としてどれだけ育て上げていけるかのスタートにもなる。その第一歩としても11月の大会は重要な位置付けになるはずだ。
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