「幽体離脱じゃないですけれど、この辺に自分がいて、離れて見ているような感じなんです」
早川隆久はそう言って、後頭部の上の方を指差した。
過ぎた夏の怪談話ではない。楽天の左腕では球団初となる二桁勝利をクリアし、9月14日の日ハム戦で11勝目。シーズン終盤戦で最多勝争いを演じる26歳の絶好調の秘密の一端である。
「簡単に言うと、テレビゲームをしているような感覚です。投げている時に、バッターの反応や守備陣のポジショニング、ベンチや球場の雰囲気まで全てを俯瞰で見ながら自分自身をコントロールする。今シーズンの途中からそれができるようになったことが結果にもつながっていると思います」
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photograph by JIJI PRESS