日本の公道で初めてフォーミュラカーがバトルを繰り広げる。
古くは'80年代からあった、横浜・みなとみらいや大阪・夢洲、あるいは大阪城周辺などへの夢のようなレース誘致構想が、ついに現実のものとなった。東京ビッグサイトの周囲に設定された全長2.582kmのコースを22人のドライバーが操るEVフォーミュラカーが激走するのだ。シリーズの正式名は「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」。国際自動車連盟(FIA)からF1やWEC、WRCなどと同じ最高格式“世界選手権”が与えられるフォーミュラEとは、いったいどんなレースなのだろうか?
2014年スタート、F1と比べすべてがコンパクト。
バッテリーとモーターを搭載したフォーミュラカーが争うこの新プラットフォームは、2014年にスタートした。10年目にあたる今季は、11チームが全10カ所の開催地で16戦を戦う予定だ。
開幕戦は、今年1月13日にメキシコシティで行われた。舞台はF1でもお馴染みの元野球場スタンドが印象的なエルマノス・ロドリゲス・サーキットだ。しかし、F1のグランプリとは多くの点で異なる。例えば、コースは全長2.63kmまで短くした専用レイアウトで、レース総距離も100km程度、またフリー走行、公式予選、決勝レースを同日に開催するなど、いずれもコンパクトに作られている。都市から離れたサーキットへ週末3日をかけて集客し、日曜日の決勝レースは総距離300kmに達するF1と比べ、初見でも気軽に観戦を楽しめるように設計されている。レースに加え、ライブコンサートなども同時開催されていた開幕戦では、スタンドが4万人の熱気で溢れていた。
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