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「素敵なレースだった」王者フェルスタッペンが漏らした鈴鹿を走る喜び…″史上初の春開催”日本GPは満開の桜とともに《角田裕毅は「1位みたいな」10位》
初めての春開催だから、満開の桜とともにF1サーカスを迎えたい。そんな気持ちが通じたのか、みんなの到着を待つように、今年の桜は開花を躊躇っていた。
「皇居周りの桜はまだ蕾だったよ」
日本GPの前に東京で取材を行ったジャーナリストが言った。サーカスの面々が鈴鹿に揃った頃、気まぐれな雨にも負けなかった蕾がほころび、マシンが走り始めると微笑むように花開いた。SAKURA。またひとつ、日本GPを彩るワードが加わった。
「ここは本当に唯一無二の場所だよ」
3日間の観客数は延べ22万9000人。日曜日の決勝は10万2000人がサーキットで観戦した。年に一度の祭典のため、例年なら1年をかけて準備を整えるところ、今年は昨年の9月末から約半年の努力で仕事や資金面の調整を行わなくてはならなかった――チケットは席によって10万円を超えるほど高価で、宿泊費や交通費を含めると海外旅行を凌ぐ予算が必要になる。年度初めの4月第1週、休暇を取るには少なからず努力が必要だったはず。
世界的にF1人気が高まる今日、観客数では日本を超えるグランプリも数多い。それでも、ドライバーもチームのスタッフも、鈴鹿を称賛する言葉を惜しまない。木曜日の記者会見“ここでは何がそんなに特別なのか”と訊ねられたとき、ピエール・ガスリーは「空港に降り立った時や列車の駅ですでに、感じられるはずだよ」と答えた。
「今日も、まだ走行が始まっていないのに、グランドスタンドに集まってメカニックたちがマシンを組み立てる様子を見守るファンがこんなにいる。メカニックの仕事にもこんなに情熱を示してくれるんだ。僕はそんなファンの素晴らしさ、F1全体に対するリスペクトが理由でこのグランプリが大好きだ。ここは本当に唯一無二の場所だよ。ヨーロッパとも全然違う」
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