#1029
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「一番こだわっている部分は得点」阪神・近本光司が、赤星憲広に明かした<走れないなと感じる場面>とは?《盗塁王対談》

2023/11/01
矢野阪神の躍進は、機動力抜きには語れない。リーグトップのチーム盗塁数を牽引し、3年連続のタイトルへひた走る不動の1番が、憧れのレジェンドと走塁の極意を語り合った。(初出:Number1029号[新旧スピードスター対談]近本光司×赤星憲広「虎の機動力を語ろう」)

赤星 今回の対談テーマは「機動力」。矢野監督が二軍監督時代、そして一軍監督に就任されてからも、チームの大きなテーマとして掲げられていたことです。一軍監督としては今年で3年目。理想としていた機動力を生かした攻撃が、今年になってようやく実を結びつつあると感じます。その中心にいるのが近本選手。今シーズンはチームとしても盗塁だけでなく、積極的な走塁が特に目立っていますね。

近本 僕にとって一番の大きな仕事は、本塁に還ってくることだと思っています。もちろん盗塁もそうですが、一番こだわっている部分は得点。盗塁の有無に関わらず、走者として本塁に生還することです。走者として後続打者に、いい影響を与えられるような走塁をしたいと思っています。

赤星 僕も現役時代に一番こだわっていたことが得点だったので、近本選手の気持ちはよく分かります。後ろの打者次第のところはありますが、僕が2005年に記録した119得点の数字を超えてもらいたいですね。他の選手を見ると、レギュラーとして出場している外国人のマルテ選手、サンズ選手も走塁に関して一生懸命やっていると思います。その姿勢が物語るように、チーム全体の機動力や走塁に対する意識の向上は、近本選手も感じているのではないですか?

赤星憲広 SANKEI SHIMBUN
赤星憲広 SANKEI SHIMBUN

近本 今のチームは全力疾走であったり、積極的な走塁をすることが当たり前になってきて、その大前提がある中で個人個人が少しアレンジしています。サンズ選手が4月1日の広島戦で決めた内野フライからのタッチアップ(記録は野選)もそうですし、単打かなという一打でも、外野手の肩の強さや守備範囲の広さを考えながら走ることで長打に変えられていることもあります。先の塁に対する意識はもちろんのこと、相手が思いつかないような、意表を突いた走塁が今年は結構見られますね。

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photograph by SANKEI SHIMBUN

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