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<五郎丸歩&畠山健介のW解説>サモア戦で効果的なタクトを振った齋藤直人&松田力也「あの“目立たない選手”の貢献が…」

2023/10/14
前半13分、FBレメキが得意のランで突破し、最後はFLラブスカフニがトライ
7月の強化試合で敗れたアイランダーと3大会連続の激突。ラスト5分、1人欠いた相手の粘りに遭ったが、何とか逃げ切った。

《畠山健介がFW目線で振り返る》一貫性と“目立たなさ”。

畠山健介 Kensuke Hatakeyama
畠山健介 Kensuke Hatakeyama

 チリ戦とイングランド戦に続いて、ラックに人数をかけず、15人が常に立っている状態を維持することを心掛けていました。今回も相手が「攻め疲れ」するように仕向け、それが奏功します。

 例えるなら、“網漁”でしょうか。

 日本は15人が一列に並んで網を広く張り、サモアの体力をからめとろうとする。一方のサモアは網そのものを突き破ろうとしてより中へ中へと、フィジカル任せの強引な突破を図りますが、徐々に摩耗します。やがてサモアのサポートが遅くなり、ボールキャリアーが孤立したところで、日本がターンオーバー。そんな場面が幾度となくありました。

 17-3とリードを広げたところで迎えた前半36分、HO堀江翔太にバンカーシステムが適用されたことで、肝を冷やした方も多いかと思います。頭同士の接触は、確かにイングランド対アルゼンチン戦の退場シーンとよく似ていました。

LOコーネルセンは後半24分に退くまでに9回のタックルを試み、成功率100%を記録 Hiroyuki Nagaoka
LOコーネルセンは後半24分に退くまでに9回のタックルを試み、成功率100%を記録 Hiroyuki Nagaoka

 しかし僕は「黄色か? 赤か?」よりも、脳震盪の影響のほうが気になりました。ぶつかった直後、堀江がちょっとふらついたように見えたのです。

 この試合でも堀江がスクラムをリードしていましたが、試合の80分間全体で見た時に、スクラムの出来は決して良くはなかった。実際、成功率75%はこれまでの3試合で最も低い。この状況で堀江を失うことになったら……。結局シンビンの判定となりましたが、僕は「10分休めてよかった」と思ったものです。

黙々とチームに貢献する選手が“目立たない”のがいい。

 ではなぜ、スクラムが振るわなかったのか。キーワードは「一貫性」です。

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