現在の女子プロレス界には“極悪女王の後継者”がいる。スターダムの刀羅ナツコだ。ダンプ松本がスターダムに参戦する際にはチームを組んできた。ヒールに転向した時から、ナツコにとってダンプ松本はロールモデルだったのだ。
10月27日の後楽園ホール大会では、ダンプがナツコをこんな言葉で称えた。
「ナツコを昔のオレみたいにしたいんだよ。ナツコが有名人になるまで、知名度が上がるまで、オレはずっと応援する」
そんな関係性があるからこそ『極悪女王』を見ることに不安もあった。1980年代の試合映像を何度も見て参考にしてきた分「ここが本物と違う」となりやすい。
「だけど実際に見てみたら、逆に昔の映像を見てる自分からしても『似てる!』って。受身の取り方から歩き方、倒れた相手を起こす動きまで。極端な話、手しか映ってなくてもどの選手か分かるレベルで。相当こだわって作ってるなって」
自分のレスラー人生と重なる部分もあったという。練習生時代の松本香、後のダンプと長与千種が友情を育む場面だ。
「アタシは寮生活こそしてなかったけど、先輩の誘いを断って同期と遊びに行ったりとか、遠征先で夜遅くまで話したり。やっぱり新人時代って1人じゃ頑張れない。仲間がいるからやっていけるっていうのも描いてて、懐かしい気持ちになったね」
ヒールとしてダンプ松本に魅了されたのは、圧倒的な“怖さ”があるからだ。
「あの時代に自分がプロレスファンだったら、会場で一番記憶に残るのは絶対に極悪同盟。とにかく怖くて目立つ。ダンプ松本とか極悪同盟とか、名前もインパクトあるし。それは今も同じで、見に来た人が忘れられない存在感を残さないと。『あの坊主の人、顔にペイントした人が凄かった』って」
全ての写真を見る -18枚-「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています