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「現役レスラーは『極悪女王』をどう観たか」中野たむ、刀羅ナツコ、ウナギ・サヤカが「ヒリヒリした」シーンとは?【連続インタビュー】

2024/11/22
中野たむ(右)、刀羅ナツコ(上)、ウナギ・サヤカ(左)
やはり、ただ観て「面白かった」だけではなかった。実際にリングを舞台に命を削る闘いを繰り広げるプロの視点は興味深い。現在、第一線で活躍するトップレスラーたちが、三者三様の感想を語った。(原題:[連続インタビュー]刀羅ナツコ/中野たむ/ウナギ・サヤカ「現役レスラーは『極悪女王』をどう観たか」)

 現在の女子プロレス界には“極悪女王の後継者”がいる。スターダムの刀羅ナツコだ。ダンプ松本がスターダムに参戦する際にはチームを組んできた。ヒールに転向した時から、ナツコにとってダンプ松本はロールモデルだったのだ。

 10月27日の後楽園ホール大会では、ダンプがナツコをこんな言葉で称えた。

「ナツコを昔のオレみたいにしたいんだよ。ナツコが有名人になるまで、知名度が上がるまで、オレはずっと応援する」

 そんな関係性があるからこそ『極悪女王』を見ることに不安もあった。1980年代の試合映像を何度も見て参考にしてきた分「ここが本物と違う」となりやすい。

「だけど実際に見てみたら、逆に昔の映像を見てる自分からしても『似てる!』って。受身の取り方から歩き方、倒れた相手を起こす動きまで。極端な話、手しか映ってなくてもどの選手か分かるレベルで。相当こだわって作ってるなって」

10月27日、後楽園ホールでダンプから後継者指名された Essei Hara
10月27日、後楽園ホールでダンプから後継者指名された Essei Hara

 自分のレスラー人生と重なる部分もあったという。練習生時代の松本香、後のダンプと長与千種が友情を育む場面だ。

「アタシは寮生活こそしてなかったけど、先輩の誘いを断って同期と遊びに行ったりとか、遠征先で夜遅くまで話したり。やっぱり新人時代って1人じゃ頑張れない。仲間がいるからやっていけるっていうのも描いてて、懐かしい気持ちになったね」

 ヒールとしてダンプ松本に魅了されたのは、圧倒的な“怖さ”があるからだ。

「あの時代に自分がプロレスファンだったら、会場で一番記憶に残るのは絶対に極悪同盟。とにかく怖くて目立つ。ダンプ松本とか極悪同盟とか、名前もインパクトあるし。それは今も同じで、見に来た人が忘れられない存在感を残さないと。『あの坊主の人、顔にペイントした人が凄かった』って」

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photograph by Nanae Suzuki

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