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「イタリア語は知れば知るほど難しい」石川祐希が実感した“言葉”の大切さと本格コーヒー《短期集中連載「イタリアで、強くなる」②》
チキンサラダとショートパスタが入った具だくさんのスープ。メニューを見ながら、慣れた様子でランチを注文する。
「サラダにオリーブが入っていたんですけど、それはいらない、って。ちょっと喋れるようになってきたけれど、まだまだ。イタリア語は知れば知るほど難しいです」
試合中も練習中もコミュニケーションは基本、イタリア語。わからなくても、何も言わなければ理解していると思われ、おいていかれるだけだ。
「日本人のバレーボール選手が、海外でなかなか成功できないとすれば、その理由は語学力だと思うんです。1回行くだけなら、何とかなるだろう、でもいいんです。だけど本気で勝負するなら、喋れないと絶対に何とかならない。2回目にこっちへ来て、そこに改めて気づかされました」
挨拶程度しか喋れなかった2年前。チームメートはかわいがってくれたが、勝負する同じ土俵には立つことすらできなかった。
「パスとかトスとか、1つ1つの技術は日本人のほうが正確だと感じることは多いし、実際ラティーナの控えのオポ(ボヤン・ストルガー)を見ると大竹(壱青)もいけるんじゃないかと思うこともあります。でも、じゃあ大竹が来てすぐに勝負できるか、というとそうじゃない。監督が何を言っていて、何を考えているかを理解して、『自分はこうしたい』と言えなければ絶対無理です」
パスやスパイク、ブロックなど1つ1つを区分し、長い時間をかけて練習するのが一般的な日本とは異なり、イタリアでの練習は約2時間。パスやボールコントロールも行うが、1時間以上は実戦形式の練習に割き、その中でスパイクやブロック、レシーブの連携など試合で必要な要素を確認しながら自身の技術を磨く。
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