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「自分はこんな感情なんだ、という心が見えてきた」羽生結弦、18歳の果てしなき“欲望”【2012-13シーズンplayback】

「いつも心を開いているんです。見たもの感じたもの、すべて吸収する。だから逆に、自分の心も正直に出す。心を開いていなきゃ、何も吸収できないし、面白くないでしょ」
18歳の若きアスリート、羽生結弦。'12年の世界選手権で銅メダルに輝くと、今季はショートで世界歴代最高点をたたき出し、GPファイナルでは銀メダルを獲得した。他に類をみないほどのペースで、なぜ成長し続けられるのか。理由を問うと、彼は言う。心を開いているから、と。その言葉の意味するものは何か――。半年間にわたる、羽生の心の動きを探ってみる。

羽生の今シーズンは、練習環境を探すところから始まった。世界の頂点を目指すために、故郷の仙台を離れ、新しい刺激を求めたい。トロントに心を決めるまで、彼はあらゆる選手を観察し、分析した。
「ジェレミー(アボット)は視線のずっと先まで演技の空間があって、観客みんなが目が合った気持ちになる。ジャンプのミスをカバーできる演技だ。パトリック(チャン)のスケートはすごい。あれは北米のよく滑るスケート。ハビエル(フェルナンデス)は上半身と下半身が一体になった流れがあって、あれこそブライアン・オーサーが教える滑り。4回転の確率は一番高い。(ミハル)ブレジナはエッジの正確なところが好き。(髙橋)大輔さんは別世界でスゴすぎる。(アレクセイ)ミーシン先生は自分のスケートに近い感じだけど、プルシェンコそのものになっちゃう」
とにかくすごい観察眼だ。そして自己分析をし、どの環境が自分に最適かを考えた。
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