「カモン、カモン、カモン!」。3万5000人のシャウトが東京ドームを揺らす。羽生結弦の単独公演『GIFT』が2月26日に開かれ、その歴史的証人になったファン達は、『Let Me Entertain You』のロックに乗り、拳を突き上げた。
フィギュアスケート史に残る東京ドーム公演。特筆すべきことはいくらでもある。羽生自身が書いた物語が巧みにあぶり出す深層心理、多彩な音楽と映像、ダンスが融合する芸術性。どれもが新しい挑戦であり、すべてが羽生からの『GIFT』だ。
ただ、ファンにとってもうひとつのギフトは、生の彼に向かって大声援を送れたこと。各業界で徐々に歓声は緩和されてきたが、昨年11月、12月の単独アイスショー『プロローグ』は声出しNG。『GIFT』もチケット販売時点では「会話禁止」が明記されていた。
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photograph by 2023 GIFT Official