#1076
巻頭特集

記事を
ブックマークする

「大谷翔平は私によく似ている」“精密機械”グレッグ・マダックスが語る投手の神髄【サイ・ヤング賞4度受賞の男を独占取材】

2023/07/06
サイ・ヤング賞4度受賞のレジェンドが語る、“投手論”と“大谷論”とは。

 グレッグ・マダックス氏は野球選手には珍しいメガネ姿と理知的な口調、類い稀な分析力で、現役時代には『プロフェッサー(教授)』の異名をとったメジャーリーグの歴史に残る名投手だ。

 サイ・ヤング賞を4年連続受賞、ゴールドグラブ賞を18度受賞、ワールドシリーズ制覇など功績を挙げたらキリがないが、キャリアを通して目を引くのは四球の少なさで、先発した740試合中236試合を無四球で投げ終え『精密機械』というニックネームも持つ。

 マダックス氏の投球を支えたのは「ロケーション(コントロール)とムーブメント(ボールの微妙な変化)」だ。

「高校時代のコーチに教わった投球哲学だ。速い球を投げてもコントロールが悪ければ意味がない。コントロールとムーブメントがあれば打ち取れると教わった」

 その哲学もあり、1988年から2004年まで17年連続で15勝以上挙げている。

「自分の投球の柱はツーシームで、それにチェンジアップ、シンカー、カーブなどの変化球が持ち球だった。ツーシームを膝上に投げた後、同じコースにチェンジアップを投げる。打者はホーム手前まで球種が読めないから手を出してくれた。(勝ち星を重ねられたのは)走者を出した後に打ち取る投球がうまかったのだと思う。走者が一塁ならゴロを、二塁ならフライをというようにね。野球は27個のアウトを取れば終了だけど、アウトの取り方はフライでもゴロでもいいんだ。もちろん速い球で全員を三振に取れたら最高だけどね」

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
キャンペーン終了まで時間
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Getty Images

0

0

0

前記事 次記事