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日本人で2人目となるCLベスト8進出!
内田篤人が語るバレンシア戦の勝因。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byItaru Chiba
posted2011/03/10 14:30
CLベスト8進出を決め、GKノイアーと喜びをわかちあう内田
リードしていても果敢に攻め上がっていった内田。
しかし、そのあとも内田は何度も前線に駆け上がり、攻撃に加わった。
相手が同点を目指して前に出てきたことで、スペースが生まれたという側面はある。それでも、ディフェンダーである以上は失点を警戒して自陣に残っていてもおかしくはない。
「守りに入ったらダメだというのが自分の中ですごくあった。例えば鹿島なんかでも1-0で勝つ試合が多かったですけど、最後は守ります。でも、ある程度の時間はずっと攻め続けているんですよ。守りに入ったらキツイから。攻めて、攻めて、(ボクシングで言うところの)ジャブ、ジャブって」
さすがに試合終盤になってからはバレンシアの猛攻を受けるようになっていた。
しかし、後半のロスタイムにバレンシアが前がかりになったところで、ファルファンがカウンターからこの日の2点目となるダメ押しのゴールを決める。
スコアは3-1。
勝負は決まった。
「スペイン人のサッカーは本当に“エロイ”ですね(笑)」
もっとも内田自身には課題も多かったという。
1stレグ、2ndレグを通して、ブンデスリーガでいつも見せていたあの強い当たりを見せられなかったというのだ。
「スペイン人(のサッカー)はホントにね“エロイ”ですね(笑)。ボールの持ち方とか、はたき方とか、顔の上げ方だとか。なかなか体を寄せられないんですよ。もう少しガッツリ(相手に当たりに)いけると面白いかなとは思うんですが、まだちょっとね……」
ただ、悲観的な感じはない。練習を通じて、そうした対応に慣れていける環境があるからだ。
「(スペイン人のチームメイト)フラードとか練習中に対戦しますけどね、上手いなぁと。毎日の練習からの刺激が多いですね」
実際、「練習を通して成長したい」というセリフがドイツに来てからの内田の口癖のようになっている。
「CLだけじゃなくても、毎日の練習でドイツ代表がいたり、スペインの元代表がいたり。もうW杯みたいな、ね(笑)。やっぱり、刺激はありますよね」