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日本人で2人目となるCLベスト8進出!
内田篤人が語るバレンシア戦の勝因。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byItaru Chiba

posted2011/03/10 14:30

日本人で2人目となるCLベスト8進出!内田篤人が語るバレンシア戦の勝因。<Number Web> photograph by Itaru Chiba

CLベスト8進出を決め、GKノイアーと喜びをわかちあう内田

 内田篤人の所属するシャルケが、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦でバレンシアを下し、準々決勝への進出を決めた。

 昨季の本田圭佑(CSKA)に次いで、日本人としては2人目の快挙だ。アウェイでの1stレグでは1-1の引き分けに終わったが、ホームのフェルティンス・アレナで迎えた2ndレグで3-1の勝利を収めた。

 欧州クラブ挑戦1年目にして、あの中村俊輔でさえも越えられなかったCLベスト8の壁をあっさりと乗り越えてみせた。その要因はどこにあるのだろうか。

 2ndレグの試合直後、内田は興奮気味にこう語っていた。

「良い仲間にめぐり合えました」

 そして、さらに続ける……。

「チームメイト、そして鹿島の監督だったり、スタッフだったり、フロントだったり。鹿島がなかったら、今の俺とかは考えられないし。現場の人だけじゃなくて、フロントもそう。Jリーグ開幕戦で鹿島は大宮に引き分け(3-3)たりしていたので……良い報告がみんなに届けば。鹿島のみなさんに、よろしくお伝えください!」

0-0の引き分けでも勝ち上がれるが……絶対に勝ちに行く!

 ホームで行われる2ndレグでは、0-0の引き分けか、勝てば、準々決勝に進むことが決まる状況だった。

 今から約3週間前、1stレグを終えた直後のこと。報道陣に対して、内田がしきりに問いかけていた。

「記者の人から見て、1-1(という結果)はどう?」

 その口ぶりは、2ndレグにどう臨んでいいのかまだ計りかねているようだった。

 ところが、2ndレグを2日後に控えた練習では、1stレグを自分なりに振り返る余裕まで見せるようになっていたのだ。

「ピンチは多くあったよね。でも、アウェイだから、そんなのは当たり前なんだよね。アウェイで勝つというか……引き分けるのは結構大変だから。日本の感覚でやらないほうがいいと思う。(日本とドイツの感覚の違いについて)どちらがいいか、悪いかではなくてね。

 勝ちに行った結果で0-0ならいいんですけど、0-0狙いで0-0の結果はないから。だから……やっぱり勝ちに行きたいなと。たぶん、そこら辺はもう、みんなも試合をこれだけやっているから、勝負どころというのはね、言葉は通じなくてもね」

 2ndレグでは失点しないように心がけながらも、あくまで目指すのは勝利。それが試合前の内田のプランだった。

 ただ、そのプランは早い段階で崩れてしまった。

【次ページ】 先制点を奪われ最悪な立ち上がりに見えたが……。

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