MLB東奔西走BACK NUMBER
この先発陣で優勝しないはずがない!?
フィリーズ圧倒的優位の理由。
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byAP/AFLO
posted2011/02/22 10:30
2月14日、フィリーズを支える5投手が揃って記者会見を行なった。写真左からロイ・ハラデー、ジョー・ブラントン、クリフ・リー、ロイ・オズワルト
今季の状況と似るブレーブスとヤンキースの黄金時代。
過去にも黄金時代を築いたチームは、圧倒的な先発投手陣を揃えていた。
前述のオルニー氏が指摘する1993年ブレーブス。さらにチーム史上最多の114勝を記録しワールドシリーズを制覇した1998年ヤンキースがそうだった。
いったいどんな先発陣だったのか検証してみたい。
●1993年ブレーブス
グレッグ・マダックス(27) 20勝10敗 防御率2.36
ジョン・スモルツ(26) 15勝11敗 同3.62
トム・グラビン(27) 22勝6敗 同3.20
スティーブ・エイブリー(23) 18勝6敗 同2.94
ピート・スミス(27) 4勝8敗 同4.37
●1998年ヤンキース
アンディ・ペティット(26) 16勝11敗 同4.24
デビッド・ウェルズ(35) 18勝4敗 同3.49
デビッド・コーン(35) 20勝7敗 同3.55
伊良部秀輝(29) 13勝9敗 同4.06
オルランド・ヘルナンデス(29) 12勝4敗 同3.13
'93年のブレーブスはマダックスがカブスから移籍した1年目。その後マダックス、スモルツ、グラビンの3本柱を中心に見事な投手王国を築き上げたのは、まだ記憶されている方も多いだろう。
またヤンキースにしてもウェルズの代わりにロジャー・クレメンスを補強するなどして、さらにペティット、クレメンス、コーン(2000年はヘルナンデス)とエース級の投手を3人揃えワールドシリーズ3連覇を成し遂げている。
5人で先発ローテーションを回すメジャーの場合、15勝以上あげられる投手が3人いれば十分にペナントを狙えると言われている。それがブレーブスやヤンキースのようにエース級の投手が3人揃えば、他の先発投手の投球を楽にでき、4番手、5番手でも好成績を残すという相乗効果が生まれてくる。
ましてやフィリーズの場合4人も揃っているのだから、故障者でも出ない限り、他チームがどうあがいても太刀打ちできそうにない。そう考えてもいいだろう。