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“高橋由伸2世”ドラフト上位候補が「3回指名漏れ」の“ナゾ”…「慶應→ENEOS」名門で4番を任された男が「ドラフト年だけ別人」になったワケ
posted2026/10/30 11:01
谷田成吾は慶應義塾高→慶應義塾大→JX-ENEOSと、高校から社会人まで神奈川県の名門を渡り歩いた
text by

高田悠太郎Yutaro Takada
photograph by
Shiro Miyake/JIJI PRESS
「第5巡選択希望選手、読売、山本泰寛」「第6巡選択希望選手、北海道日本ハム、横尾俊健」……。おかしい。2015年のプロ野球ドラフト会議は終盤に差し掛かってきた。慶應義塾大からプロ志望届を提出したのは山本、横尾を含めて3人。そのうち、最上位で指名されていい選手の名前だけが、まだ呼ばれていなかった。
その名は、谷田成吾。
慶應義塾高では通算76本塁打を記録し、すでにプロ注目の存在だった。だが、「(高校時代の先輩で大学に進んだ)山﨑錬さんや只野尚彦さんたちの姿を見て、自分も神宮でプレーしたいと思っていた」と、慶應義塾大の門をたたいた。
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東京六大学野球では、高校時代の実績にたがわぬ活躍を見せた。通算85安打・15本塁打は、どちらもドラフト指名された山本と横尾より上だ。また、高校時、大学時とも、日本代表にも選ばれている。
11球団から調査書が届いていたが…
そんな谷田は、左打ちの外野手。付いた異名は“高橋由伸2世”だ。プロでは通算1753安打、321本塁打。東京六大学野球リーグで放った通算23本塁打の記録は今も破られていない慶應義塾大の先輩・高橋由伸になぞらえられたスラッガーは、間違いなく上位指名候補だった。調査書は11球団から届いていた。
だが、同じ六大学野球出身の安打製造機・髙山俊(明治大)の当選くじ取り違えが話題となった2015年のドラフトで、「谷田成吾」の名前は最後まで呼ばれることはなかった。
この日の夜、慶應義塾大の日吉キャンパスでは、同校の大久保秀昭監督と山本、横尾が記者会見を行った。しかし、そこに谷田の姿はなかった。その会見で大久保監督は、「3名候補がいるのですが、思うような結果になっていないという事情がありまして……」と話したという。それは谷田のことだろう。関係者にとっても想像できない事態だったのだ。
ドラフト後、ネット上には谷田が指名漏れした理由を分析する、無責任な評論があふれた。「足が速くないから」「守備が下手だから」「ライトしか守れないから」「東大戦でしか打っていないから」……。
谷田が、当時の率直な思いを明かす。

