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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「羽月にはすごい成長を感じる」広島・新井監督が激賞したとき羽月隆太郎はすでにゾンビたばこを…「野球しかしてこなかった」26歳が失ったもの
text by

赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/06/05 11:02
俊足と走塁術を武器に、小さな体で地位を固めつつあった羽月。愚かな過ちで失われた輝きを改めて振り返る
西武のピッチャーはトレイ・ウィンゲンター。次打者エレフリス・モンテロへの初球でヘッドスライディングして二盗。さらに続く2球目で足から滑り込んで三盗。完璧にモーションを盗んだ羽月の走塁に、捕手の炭谷銀仁朗は三塁へ送球すらできなかった。
最後は、炭谷の捕逸の間に羽月が本塁を陥れ、カープが勝ち越し。新井監督は自らのバクチ采配を成功させた羽月を絶賛した。
「羽月にはすごい成長を感じる」
「キャッチャー(坂倉)に代走というのはあまりしないんですけど、思い切って羽月に勝負をかけました。よく二盗、三盗と勇気を持ってスタートを切ってくれた。素晴らしい走塁だった。
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羽月にはすごい成長を感じる。練習に対する取り組み方も去年とはガラッと変わった。こっちはそういうところを見ているから」
お祭り騒ぎのベンチで、羽月は周囲の選手たちにもみくちゃにされていた。チームの中でも、新井監督とも、揺るぎない絆と信頼関係が築かれているように見えた。
しかし、実際はこの時、羽月が「ゾンビたばこ」と呼ばれるエトミデートの使用を始めて2カ月。エトミデートが指定薬物と認定され、販売、所持、使用等が禁止される省令が5月26日に施行されてからも10日以上経っていたのだ。
「野球しかしてこなかったんで」
今年1月に警察に逮捕されて以降、羽月が仲間と信じていたチームメートや関係者に連絡を断たれたことは、彼がTikTokで自ら明かしている通りである。羽月は今もTikTokで故郷・宮崎からライブ配信を続けており、フォロワーは14万人を超えた。励ましや野球活動の再開を願うコメントも少なくない。そんな声に応えて、羽月は現在の胸中をこう明かしている。
「野球しかしてこなかったんで、野球に携わる仕事がしたいです」
羽月がカープ入団当時に語っていた「体の小さい子に、体が小さくてもここまでできるんだ、という姿を見せたい」という夢はいったん潰えた。しかし、まだ26歳。まだ初犯。今度は別の形で夢の続きを目指すことはできるのだろうか。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉

