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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「羽月にはすごい成長を感じる」広島・新井監督が激賞したとき羽月隆太郎はすでにゾンビたばこを…「野球しかしてこなかった」26歳が失ったもの
text by

赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/06/05 11:02
俊足と走塁術を武器に、小さな体で地位を固めつつあった羽月。愚かな過ちで失われた輝きを改めて振り返る
「正直、誰よりも準備をしている自信はあります。あとは予測が大事かな」
暴投による本塁生還も、「予測」のたまものだった。
「(石井のような)いい投手って低めに集まるんで、変化球が低めに行ったら、(ミスを)やれって思って梅野(隆太郎捕手)さんを見ていたんですよ。梅野さん、低めの投球を捕るのがすごい上手じゃないですか。だから(ミスを)やれって思っていて、やった(投球を捕り損なった)のを見た瞬間、スタートを切れた。そういう最高の準備が自分の中でできてたんで、本当に体が勝手に動いたというか、反射で行っちゃいました」
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これは単なる予測というより、イメージトレーニングと言ったほうが正確だろう。
この頃の羽月はゾーンに入っていた
羽月は試合後のヒーローインタビューで盗塁を振り返り、「無心で走ってセーフになった瞬間、でかぁーっ! と思いました」と、満面の笑みを浮かべて自画自賛。お立ち台の隣には2点タイムリー二塁打を打った堂林がいて、「羽月さんのおかげです。羽月さんの二盗、三盗で勇気を持つことができました。ありがとうございます」と9歳年上の先輩に目一杯持ち上げてもらった。
準備、予測、思い切り。この頃の羽月は走塁に必要なあらゆる要素を兼ね備え、一種のゾーンに入りつつあったように思う。
2025年6月6日、マツダスタジアムでの西武戦。羽月は前年スタンドを沸かせた“神走塁”を再現して見せた。2-2の同点だった8回、1死から坂倉将吾が四球を選ぶと、新井監督が羽月を代走に送る。
延長戦に入るかもしれない展開で、正捕手に代走を出すのはリスクの高い賭けだ。新井監督らしい勝負手に、羽月も足で応えた。


