侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
WBC侍ジャパン「井端野球」とは何だったのか? 「スモールベースボールから脱却すべき」元日本代表スコアラーが語った“日本野球の転換点”の意味
text by

酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byNanae Suzuki
posted2026/03/24 11:01
WBC準々決勝で敗れた侍ジャパンの井端弘和監督。“井端野球”が日本に残したものとは何だったのだろうか?
3月14日のベネズエラ戦でも、長打力を発揮した。
1回、アクーニャJr.に先制アーチを浴びたその裏、今度は大谷の先頭打者アーチですかさず追いついた。2回に1点を勝ち越されたが、3回には途中出場の森下翔太が逆転3ラン。一時は3点リードを奪い、優位に試合を進めたが、リリーフ陣がスラッガーのパワーに屈した。
9年前のWBC…語っていた「スモールベースボールからの脱却」
敗れたものの、志田は日本代表の進むべき方向性が誤っているとは感じていない。17年WBCではアメリカとの準決勝に彼もまたベンチ入りし、1-2の敗戦を味わっている。その直後から、これから先、日本野球がめざすべき道をこう提示していたのだ。
ADVERTISEMENT
「日本はスモールベースボールから脱却すべき時期にきていると思います」
そう強調し、日本は今後、パワー野球を推し進め、小技に長けた伝統的なスモールベースボールとの「ハイブリッド型」をめざすべきではないかと説いたのである。
あれから9年が経った。
今回は確かな“進化”の跡も示した。
3月7日の韓国戦では3点のビハインドを背負った1回裏、1死二塁で3番の鈴木誠也が右翼に反撃の2ランを放ち、瞬く間に1点差に迫った。3回には大谷の本塁打で追いつき、再び鈴木の一発、さらには吉田正尚が間髪入れず、払うようにボールをとらえてライトスタンドに放りこみ、突き放した。
3人のメジャーリーガーが描いた4本のアーチは豪華絢爛なショーさながらで、日本の野球ファンにとって初めて目の当たりにする夢の光景だった。志田は言う。
「いまや、日本のスタイルは小技や機動力を駆使したスモールベースボールからパワー野球に移行したと思います。割合でいえば6対4、7対3ぐらいじゃないでしょうか。やはり、大谷選手が侍ジャパンに入ってきた23年のWBC以降、まさにスモールベースボールから完全に転換する、日本野球の変わり目ですよね」
志田が言う「日本野球の変わり目」――その主役となったのは、やはり“あの選手”の存在である。
<次回へつづく>

