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“被シュート数が多すぎる”川崎フロンターレは変わったのか? 長谷部監督の言葉に熱気「これはもうマストです」窮地を救った“黄金期を知るキャプテン”
text by

いしかわごうGo Ishikawa
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2026/03/05 11:41
川崎フロンターレの長谷部茂利監督。多摩川クラシコでの敗戦を機にネジを巻きなおし、かつて自身が率いた水戸ホーリーホックとの一戦に臨んだ
ファーサイドのクロス対応に水戸の守備陣が難を抱えていたのは、チームとして分析済みだったという。それを狙った三浦からのクロスに対して、脇坂が相手のクリアミスを誘い、心憎いほど冷静にゴールネットを揺らして窮地を救った。
「DFは僕が後ろにいるのはわかって少し落ち着いた対応をしていた。前に入り込んで、後はGKを見て浮かしました」
土壇場で引き寄せたドロー。その後のPK戦では、守護神スベンド・ブローダーセンが立ちはだかり、勝ち点2を引き寄せた。
谷口栄斗が求めた熱量は生まれたのか
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この日の公式記録のシュート数は14対8。4試合目にして初めて被シュート数が相手を下回った。
執念で掴んだPK戦勝ちとも言えたが、この結果に満足していた選手はいなかった。試合後のミックスゾーンで選手たちは総じて悔しさを口にしている。
「勝ち点3を絶対に取ろうって言っていたので、試合が終わった後も、みんな“1を落とした”っていう雰囲気になっていた。今度こそ勝ち点3が欲しい」(三浦)
この1週間、選手たちが強い危機感を持って準備してきたことを明かしたのはボランチの山本だ。噛み締めるように彼は口にした。
「FC東京戦はなかなかうまくいかないゲームでしたし、その後の練習も、練習ではないところでも、選手同士の会話がすごく多かった。それぞれがもどかしさみたいなものを抱えながら、このままじゃいけないっていうのは、みんなが思っていた。でも、それでもまだ足りてないのが現実。個人でできることがあると思います」
勝利の女神を振り向かせるには至らなかった。しかし、練習場での選手間の対話は増え、それぞれが自分に矢印を向けたことで、意識の基準も変わり始めた。こうした空気感こそが、谷口が求めていたものだったかもしれない。
ミックスゾーンで話す谷口の表情には、90分で勝てなかったことの悔しさが浮かんでいた。それでも、一定の納得感も口にしている。
「試合前のミーティングもそうですし、優勝を目指すからには気持ちを出すっていうのをみんなが言っていました。それが出てたんじゃないかなと思います」
あの日、試合後の等々力で谷口が発した言葉から1週間が過ぎた。
何かが変わり始めたように見えたのは、あの発言を単なる苦言で終わらせるのではなく、チームが再び高みを目指すための助走のステップにすることができたからだ。
あとはその熱量を勝利に結実させていく日常を、どれだけ積み上げていけるのか。3月の麻生グラウンドでは、厳しい競い合いの日々が続いていく。
<前編とあわせてお読みください>

