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「世界のサカモトが絶望の涙」「アリサ・リュウとの違いは」イタリアの日本女子フィギュア本音評価…「芸術性」に敬意を持つからコストナーも
posted2026/02/22 17:00
アリサ・リュウが金メダル、日本勢が銀・銅メダルの女子フィギュア。イタリアではどう報じられたか
text by

弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Yuge Takashi
カオリはもっとできたはずなのに
氷の上でアメリカと中国、イタリアと日本が交錯した。19日夜にフリープログラムが行われたフィギュアスケート競技女子シングルは、米国にとって24年ぶりの金メダルをアリサ・リュウが獲得。日本勢は坂本花織が銀メダル、中井亜美が銅メダルでともに表彰台に上った。
経験と技術、芸術性で金メダルへの最有力候補と見られていた坂本の滑走直後、ホスト国イタリアの実況アナウンサーは「えー……」と言葉を失った。
解説者は瞬時の得点計算で「テクニカルポイントもコンポーネントポイントも伸びない、(直前の滑走で総合1位に立っていた)リュウには届かない」と冷静に指摘した。だが「カオリはもっとできたはずなのに。いつもの彼女ではない」と続けた声は重かった。
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すべてのフリープログラムが終わり、最終順位が確定した。キスアンドクライで五輪初出場の中井がリュウと歓喜で抱き合いながら飛び跳ねる一方、うずくまった坂本は肩を震わせた。
「絶望の涙ですね……何千という後悔の念が彼女の頭を埋めていることでしょう。カオリの悲しむ姿を見るのはとてもつらい。フリーの最初の1秒目から彼女は緊張していたようでした。いつものサカモトらしくなかった」
日本フィギュアを「比類なき存在」と評する根拠
ホスト国イタリアで大会を中継放送する「Eurosport」や公共放送RAIの実況アナと解説陣は、一貫して日本フィギュアチームを非常に高く評価していた。
彼らは日本チームをしばしば「コラッツァータ」と表現した。直訳すれば「戦艦」という、いかつい意味の言葉だが、同国スポーツ界のボキャブラリーでは“桁違いの戦力をもつ最強軍団”という意味で使われることが多い。実際、女子ショートプログラムが終了した時点では、中井と坂本に千葉百音を加えた3人が1位、2位、4位と上位をほぼ独占した。
最終順位も4位でメダルには届かなかったものの、千葉のフリー演技は高い評価を受けた。

