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「焦りはなかったです」黒田朝日は大学三大駅伝「9区間で6回も区間賞」の衝撃…“ハチマキ姿で激走”岡山の高校生が箱根駅伝のスターになるまで 

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photograph byYuki Suenaga

posted2026/01/24 17:00

「焦りはなかったです」黒田朝日は大学三大駅伝「9区間で6回も区間賞」の衝撃…“ハチマキ姿で激走”岡山の高校生が箱根駅伝のスターになるまで<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

箱根駅伝などで圧倒的な存在感を見せた黒田朝日

「監督は、かなりジョグをしっかりやらせるタイプだと思いますが、僕は逆にあまりやらないタイプなんです。『自分で考えて』というのを青学は重視しています。僕もかなり、自由にさせてもらっています」

「走らないエース」が語る青学流の自由と信頼

 当時の黒田によれば、普段の月間走行距離はわずか「400kmくらい」。チーム内でも「めっちゃ少ない」というその数字に、記者は驚いた。青学の他の選手は少なくとも500km以上、平均すれば700~800kmは走っているという。

 それでも原監督は“走らないエース”に対して、走行距離の少なさを指摘することはない。負荷の強いポイント練習以外のジョグの日は、走る距離も個人に委ねられる。そこには黒田を信頼し、その個性を重んじる指導者としての姿勢が表れている。

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「僕は長くて5、6kmくらい走ったら、さっと帰るんです。今日はこれくらいにしようと。ほとんど感覚でやっていて、何か根拠があるわけではありません。それに、走りすぎはよくないし、無理して走るモノでもないと思います」

 自らの感覚を信じ、時計さえつけない黒田。父・将由さんは往年の法政大の名ランナーだが、陸上のアドバイスをもらったことはないという。それでも走り方は「『え? 俺、走ってる?!』って。20年前の俺が走っていたんじゃないかと思うくらい、ソックリ」だと気づいた。

 箱根路で1時間6分7秒という日本人歴代2位の好タイムで区間賞を獲得し、青学大の2年ぶり7度目の総合優勝に貢献したのだから、末恐ろしい才能を発揮していた。

見える位置で走っていれば、とらえられると

<名言2>
日本人トップが奪えなかったので完全に満足というわけではないですけど、できることはできたと思っています。
(黒田朝日/NumberWeb 2025年1月2日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/864330

 2025年正月の箱根駅伝、花の2区は従来の区間記録を3人が更新し、「史上最速の2区」と呼ばれる展開となった。東京国際大のリチャード・エティーリが後方から前を猛追し、平林清澄(当時国学院大)やヴィクター・キムタイ(城西大)ら実力者ぞろいの集団を抜き去るなど、激しい展開となった。実際、平林のような実力者ですら最後の戸塚の坂で足が動かなくなるほどだったという。

 エティーリが1時間5分31秒の区間新記録を樹立し、1時間5分台が3人、6分台が8人も出たレース展開の中でも、しっかりと自分の走りを見せて区間3位を記録したのは黒田だった。

【次ページ】 「まあ、そうですね」と笑いながら

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