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「本当に箱根駅伝を目指す気があるのかな?」エリート新入生と上級生の温度差…立教大予選会突破への波瀾万丈「正直、未来が見えない」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2026/01/23 17:02
いよいよ上野がスカウトした中山凛斗らアスリート選抜の選手が立教大に入学してくるが、上級生とのあいだには温度差もあったという
自分が主将でいいのか
石鍋は、主将を引き受けるべきかどうかということ自体にも悩み、上野監督にはもちろん、両親にも相談した。責任のあるプロジェクトで、注目されるチームにあって、競技力が足りない自分がチームを引っ張っていけるのか。斎藤の方が適任ではないのか。だが、上野監督は「おまえなら大丈夫」と背中を押してくれた。
上野監督からは、アスリート選抜の選手を含めて全員でミーティングをして、翌年の目標を決めてほしいとリクエストされた。主将になった石鍋は、箱根駅伝予選会で15位以内という目標を掲げたが、中山たちからは「10位内以外、15位も11位も変わらないでしょう」という声が届いた。石鍋は、彼らの意欲と素直な気持ちを尊重することにした。
「28位からいきなり10位へのジャンプアップは難しいという声もあったんですけど、中山たち1年生からは、そこを目指していきたいという声が上がりました。彼らがそういうなら、僕らも10位以内を目指していこうと決意しました。彼らの箱根に対する気持ちの強さは相当感じていたので」
10位以内を目指すために
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2021年、チームは、10位以内という目標を掲げた。
意識や姿勢の違いはあるにせよ、チーム全体の力を上げていかなければ箱根は見えてこない。石鍋は前回の予選会の反省から、目標達成に向けて強豪校がしていることを改めて実行した。
「青学大が目標達成のシートを作って、それをベースに学年で話し合っているのと同じことを、栗本さんの時代からちょくちょくやっていたんですけど、それをしっかりやっていこうと。なおかつ、それを学年ミーティングではなく、学年はバラバラにして分けたグループでやって、自分が書いたシートの内容を話し合うということを、1カ月に1回程度やっていました」
この話し合いでお互いの現在地が見えて、今後に向けての取り組みが明確になっていった。
チームでは、副主将の加藤大輔が寮内の掃除や飲酒禁止などのルールを徹底し、主将の石鍋は監督や後輩からの不満を吸収しつつチーム全体を調整、斎藤は練習で背中を見せて引っ張る、とそれぞれ役割をこなした。
石鍋と仲が良い後輩と、斎藤と仲が良い後輩がたまたま異なっていたことも、全体をカバーする助けになった。チームがバランスよく統制され、箱根予選会に向かって雰囲気が高まっていた。
〈全4回の3回目/4回目につづく〉

