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「本当に箱根駅伝を目指す気があるのかな?」エリート新入生と上級生の温度差…立教大予選会突破への波瀾万丈「正直、未来が見えない」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2026/01/23 17:02
いよいよ上野がスカウトした中山凛斗らアスリート選抜の選手が立教大に入学してくるが、上級生とのあいだには温度差もあったという
「ポイント練習は大事ですが、陸上って、それ以外の個人練習が重要じゃないですか。朝のジョグも集合だけして帰るとか、走ってもすぐに戻ってくるとか、そういう先輩もいて……。
僕は、それは個々の意識の問題ですし、それで走れなくて困るのは自分なので、それならそれでいいと思っていました。そういう状態だったので、1年目はチームとして箱根云々よりも、個人の力を伸ばそうと考えていました」
上級生に危機感が生まれてきた
1年生の冷めた視線とは裏腹に、3年生になった石鍋拓海は、彼らの加入でチームの雰囲気や上級生の意識の変化を感じたという。
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「中山たちがアスリート選抜の一期生として入ってきたのですが、レベルの高い選手が来たことで、自分はどうなるのか、予選会を走れるのかという、それまでなかった危機感みたいな空気が生まれてきました」
斎藤俊輔は、力のある1年生をあまり意識はしていなかった。
「3年になって、力もついて、結果も出していたので、焦りとかはなかったです。1年生とは、寮ができたので話をする機会が増えて、一緒に練習する仲間みたいな感じでした。ただ、力のある選手が多かったので、これからどれだけ伸びていくのか、その怖さは多少あったのかなと思います。
チーム的には予選会の順位を上げていこうみたいな空気になっていましたが、本選を狙うのは現実的ではなく、あくまでも100回大会での出場が目標で、選手層的にも実力的にも、自分らがいる間にはちょっと無理だろうなっていうのは感じていました」
上野体制の2年目のスタートは、新型コロナウイルスの影響でまとまって練習ができない状態だった。チーム練習が解禁されてから、1年生はAチームで、上級生はBチームで練習をしていた。
石鍋は、エースの斎藤を筆頭として、先輩の増井大介主将とともに予選会出場のボーダーライン上にあるBチームの自分たちが箱根予選会を走れるようになっていかないと、目標には届かないという思いで練習に取り組んでいった。
コロナ禍の予選会に挑む
そして、第97回箱根駅伝の予選会が開催された。コロナ禍の影響で、陸上自衛隊立川駐屯地にある滑走路の周回コースになり、高速化が予想された。
中山にとっては初めての予選会だったが、特に気負うこともなかった。

