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「本当に箱根駅伝を目指す気があるのかな?」エリート新入生と上級生の温度差…立教大予選会突破への波瀾万丈「正直、未来が見えない」
posted2026/01/23 17:02
いよいよ上野がスカウトした中山凛斗らアスリート選抜の選手が立教大に入学してくるが、上級生とのあいだには温度差もあったという
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph by
Yuki Suenaga
2020年4月、立教大には、上野裕一郎監督が初めてスカウトした選手たちが入学してきた。のちに55年ぶりの箱根出場を実現したチームの主力となる中山凜斗、関口絢太、服部凱杏、内田賢利たちだ。
中山は、上野監督のことをよく知らなかった。宮古島の合宿で初めて会った時、サングラスをしていたので、「サングラスをかけている人」というイメージだった。
「自分は陸上に興味がなかったので、上野さんがどれだけすごい人なのか、ぜんぜん知らなかったんです。でも、一番最初に、しかも熱心に声をかけてもらいましたし、箱根の予選会突破を目指す話を聞いて、おもしろそうだなって思って立教大に決めました」
本当に箱根を目指す気があるのかな?
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寮に入ると、のんびりした空気が流れ、上下関係もほぼなかった。想像していたものとは異なり、高校時代にあった勝負に賭ける厳しさがほとんど感じられなかった。
「本当に箱根を目指す気があるのかって感じでした。先輩方の多くが、これまで本気で陸上に取り組んできている方たちではなかったですし、箱根を目指している感じもなかったです。かといって僕らと先輩方の間で仲が良くないとか、ギスギスした感じはないのですが。ただ、僕らと先輩方では箱根に対する温度差がかなりありました」
中山のようにアスリート選抜の一期生として入学し、箱根駅伝を走るためにスカウトされた選手と、入学後に突如プロジェクトが始まり、箱根駅伝出場というミッションに放り込まれた在学生とでは当然、意識も競技力も異なる。
とりわけ中山は九州学院高校という駅伝強豪校で、全国高校駅伝の都大路の舞台に出るために厳しい練習をこなしてきた選手だ。彼からすれば、箱根を目指すチームの本気度はえらく頼りないものに感じた。

