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「想像と違うな…」上野裕一郎監督は“速くない選手”をどう教えたか? 立教大“箱根駅伝への道”の意外なスタート「僕は監督が来てくれて幸せでした」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2026/01/23 17:01
立教大はいかに箱根予選会突破を成し遂げたのか? 日本トップの上野裕一郎監督の就任で部員は戦々恐々としていたが……
「上野さんが選手に求めている“当たり前感”と、チームの中で速くない選手の感覚のズレを、増田がひとりひとりと話をしながら埋めていったんです。それと大きかったのは、上野さんが(2018年)12月に監督になられて、翌年の4月に新1年生を含めてスタートしたんですが、僕らはその数カ月を過ごすことで上野さんのやり方に馴染むことができた。
そのおかげで、新チームのスタート時にゴタゴタとか、不安になるところはほとんどなかったです。箱根駅伝の予選会に向けて、少しでも上の順位にいけるようにがんばっていこうという空気になっていました」
1年の前半のトラックシーズンには、斎藤が1500mで自己ベストを更新するなど個々の競技力アップに取り組み、上野監督もそれを後押ししてくれた。栗本が、箱根駅伝予選会に向けて本気モードに入ってきたなと感じたのは、夏合宿からだった。
箱根予選会への機運高まる
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「夏合宿に入ると予選会が近づいてきているので、みんな、ガチでした。練習メニューは厳しくなりましたが、それをこなせているので、自分たちは強くなっているんだという感覚がありました。上野さんから見たら自分たちは全然レベルが違うのに、こんなにうまくメニューを作れるんだと、もう驚きでしかなかったです。
自分自身も夏は毎年怪我をして、予選会はぶっつけ本番で走っていたんです。この4年時も2次合宿の途中で怪我をしたのですが、その2次合宿の最中でもう復帰を目指せるぐらいに戻ってこられた。総崩れすることなく、うまい具合に練習に復帰できたのは、上野さんのおかげです」
夏合宿の途中から箱根予選会まで、それまで感じたことがないポジティブな空気がチーム内に流れていた。
「予選会までは、すごく雰囲気が良かったんです。今も斎藤とかと飲んだ時、この頃が一番楽しかったなぁという話をよくするんですよ。上野さんが来て1年目で、前回よりダメとか、成長していないという風にならせるわけにはいかないと思っていたので、邪念とか一切なく、チーム一丸となって予選会に臨む感じになっていました」
栗本はそれまでの3年間、高校時代にやっていた練習を元にメニューを作っていた。それで予選会を戦えるのかどうか、本人が半信半疑だった。結果を出せというほうが無理があった。

