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「お先真っ暗とは…」日本代表“ロス五輪世代の10番”佐藤龍之介が高2でプロ→挫折で得た武器とは「得点王もMVPも。勝利につながるなら」
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byNumberWeb
posted2026/01/19 17:04
ファジアーノ岡山で飛躍した佐藤龍之介。将来的に日本代表でも欠かせぬ一員となるはず
好きなものを買ったり、普通の高校生にはできないような遊びに使うのか。それとも、アスリートとして、パーソナルトレーニングに費やすのか。そういう選択にこそ、選手の資質は表れる。
「自分への投資ではないですけど、そういうものが大事だと思っていましたし。自分のための良いトレーニングをもっと、もっと、したいなと。あとは、試合に出ていないからこそ、疲労とかあまり気にせずにやれていたのかもしれないですね」
「お先真っ暗」とは思わなかったです
ただ、そうしたトレーニングに取り組んでいくなかで、励みになる舞台が佐藤にはあった。それが、年代別の代表チームでの活動だった。
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「代表に行ったときに、『良い感じに成長できているな』と感じられたので、トレーニングの成果を疑うような感じはなかったんです。同世代の選手と試合をやったら、必ず、2、3点は取れていたので。自分の中で成長は止まっていないなと感じられていたので、『お先真っ暗だ』などとは思わなかったです」
そこにこそ、一足早くプロになった意義があった。
同級生の選手たちの大半がユース年代の試合に出ているとき、佐藤は自分よりも身体が大きく、体力のある“大人たち”を相手に試合をして、自分に足りないものを認識できた。
だから、プロ選手たちが契約するようなパーソナルトレーナーを紹介してもらい、追加のトレーニングを積んできた。ユースにいたままでは、プロ選手のようにパーソナルトレーナーと契約しようなどとは考えつかなかったはずだ。通常より1年半近く早くプロに進めて得られた最大の武器は、そうした環境だった。
今は楽しいですね。もう、めちゃくちゃにね
そのアドバンテージを活かし、プロ3シーズン目で、ファジアーノ岡山をけん引するまでになった。岡山市内を歩けば、ファジアーノの試合日を伝えるポスターには佐藤が大々的に載っていた。試合を見れば、攻守ともに光っている姿は一目瞭然だ。守備で走り続けられるため、チームトップの走行距離を記録することも普通にある。
昨秋のU-20W杯の開催国チリとの試合では、両チームトップの13キロを走り抜けた。だからこそ、昨年は6月のデビュー戦だけではなく、フルメンバーのそろった11月のA代表の試合でも出場するチャンスをつかめたのだ。
攻撃でも、最終的にはJ1王者になった鹿島アントラーズ戦をはじめ、大事な試合でゴールも決めてきた。何より、岡山での生活に喜びをかみしめられた。
昨シーズン、佐藤はこう話していた。

