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野球クロスロードBACK NUMBER
ブルージェイズと4年94億円契約…“日本の主砲”岡本和真の高校恩師が語る規格外「ふくらはぎなんて象みたい」「校舎のガラスが割れてもいいように…」
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田口元義Genki Taguchi
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/01/06 06:02
ポスティングを利用してのMLB挑戦でブルージェイズと4年総額94億円の契約で合意したとされる巨人の岡本和真。その原点でもある高校時代の姿とは?
迎えた三重とのセンバツ初戦。甲子園デビューとなる第1打席で岡本は、バックスクリーンへ豪快な一発を見舞った。さらに第3打席にもレフトスタンドへ放物線を描いた。
1試合2本のホームランは、鮮烈な記憶として今も小坂の脳裏に焼き付いている。
「ホンマに打ちましたからね。あのときは鳥肌が立ちました。有言実行でしたから『すごいな』思いました。見ていて楽しかったです」
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智辯学園は次の試合で佐野日大にサヨナラ負けを喫したが、岡本は2試合で8打数4安打と、打率でも公約を果たしたのである。夏の甲子園では初戦で敗退したが、高校で記録した73本のホームランは「世代ナンバーワン」として十分な実績だった。
ドラフト会議当日には約60人もの報道陣が集まったといい、小坂が「これで1位じゃなかったらかわいそうやな」と心配したという。岡本の「巨人1位」は、むしろ監督のほうが安心したほどだった。
岡本が巨人に入団してからは、プロ初ホームランなど要所では電話を入れていたそうだが、月日が経つごとに減っていった。
映像などを通じて、打席での佇まいを見ればわかる。着実に成長しているな――と。小坂が確信したのは、岡本が初めて4番に座りブレークを果たした、4年目の18年だ。
「3割、30本、100打点やったじゃないですか。あれでさらに大きくなったと思うんです。そこから30本を(6年連続で)続けてね。自信を持って打席に立てているように見えますし、(23年に)キャプテンになってからは野球に対する考え方とか、彼自身にもさらに変化があっただろうし。すごいですよ。もうね、声かけられないです」
現役世代に伝える「高校時代の岡本和真」
少し冗談っぽく口角を上げる恩師は、今も現役世代に「高校時代の岡本和真」を話すことがあるのだという。
軸足から打席に入ってからのルーティンやバッティングでの体の使い方……「岡本はこうやった」と、それこそ本人に指導していたように説明するが、やはり勝手が違う。
「コツを掴めばある程度のラインまでできるようになるとは思うんですけど、岡本のようには真似できないですよね」
智辯学園史上、唯一無二のスラッガー。
恩師が今でも紡ぐ「真似できない」が、岡本のすごさを表していた。
<次回へつづく>

