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「他の大学には真似できないと思うよ」青学大・原晋監督が明かす、“山の神”育成モデル…再び“黒田朝日”は育つのか?「ほぼ“出会い”です」「160cm台、細身…」 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph bySankei Shimbun

posted2026/01/04 17:05

「他の大学には真似できないと思うよ」青学大・原晋監督が明かす、“山の神”育成モデル…再び“黒田朝日”は育つのか?「ほぼ“出会い”です」「160cm台、細身…」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

箱根駅伝史上初の2度目の3連覇を果たし、ポーズを決める青学大・原晋監督(58歳)

「山上りは適性が7割です。これは本当にもう、“出会い”なんですよ。上り向きの選手に出会い、そしてチャンスを与える。トレーニングによって上りの能力を高められるのは、10のうち0.5くらいかな」

 7割と言いつつも、年間を通して上りの適性を見極めるトレーニングを継続しており(この方法についてはこの3年で進化していると思う)、適性を見極める「精度」は増している。

「他の大学には真似できないと思うよ(笑)」

 では、適性はどうやって見抜くのか?

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 これは他の大学の監督たちも知りたいに違いない。かつて、原監督に「山上り眼力」について質問したことがある。

「言ったところで、他の大学には真似できないと思うよ(笑)。基本のキは、性格的なものが大切。高校時代に勧誘へ行った時に、大人と話しても、ちゃんと目を見て話す、自分の言葉で話せることが大事ですよね。青学では表現力がなければ輝けませんから。そして入学後も、能力については予断や偏見を持たないこと。箱根駅伝10区間、どの区間も適性が違う。どの区間なら力を出せるのか。これはデータと観察の領域です。とにかく、選手の能力をフラットに見ることです」

 実は、厚底シューズの時代を迎え、大柄な選手の方がシューズから得られる反発力を最大限に利用できるという説がある。イメージとしては、駒大の佐藤圭汰、中大の溜池一太のような、長距離の選手としては高身長の選手たちを指す。

 相対的に、小柄な選手は最大酸素摂取量や、圧倒的なピッチを持っているなど、なにかエッジが必要だと言われるようにもなった。

160cm台、細身で“スイスイ系”

 しかし、山上りは別カテゴリーだ。

 原監督は車をたとえに出し、「車体ではなく、内燃機関が重要」だと解説する。

「スイスイと上っていく選手がいるんですよ。最初は神野(大地)を見た時に、ははぁ、こういう選手が上れるんだなと思いました。山上りでは車体が軽くて、エンジンが大きい選手の方が強い。そうなれば、必然的に燃費も良くなるし。これもまた、長年選手たちを見てきた経験で培ったことです」

 軽自動車ではあるが、内蔵するエンジンの排気量はかなり大きいということになるだろうか。

 たしかに、青学大で山上りで成功した選手たちは、身長160センチ台で痩身という特徴があった。神野は165センチ、若林は大柄で168センチ、黒田は166センチで52キロだ。一般男性よりも小柄で、たしかに体格に適性を見出すヒントがあるのかもしれない。

 そして大記録を出すためには、足回りも重要となる。

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