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〈箱根駅伝〉山上りの5区にクマはいる?「戦前に絶滅したはずが…」約70年ぶりにツキノワグマ“発見”した教授に聞く「箱根の山とクマ問題」
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySANKEI SHIMBUN/JIJI PRESS
posted2026/01/02 17:01
左・自然豊かな箱根の山を疾走する東洋大・柏原(2010年大会)/右・箱根にも生息しているツキノワグマ(写真は今年4月に長野県に出没した個体)
絶滅→70年以上ぶりに“発見”の驚き
關教授は2017年、自身の研究のため箱根町南部に位置する「箱根自然観察林」の15地点に自動撮影カメラを設置した。その中で、箱根旧街道「畑宿」近くのカメラにはっきりと写っていたのが、黒々とした毛並みのツキノワグマ。しかも1頭だけでなく、少なくとも3個体が識別できたのだという。
「はっきりと判断はできないですが、成獣のサイズだったと思います。色々と調べてみると、熊は戦前にはもう絶滅していたということが分かって……」
ツキノワグマはかつて箱根の山にも生息していたが、昭和初期の森林伐採や狩猟の解禁の影響などから1945年にはすでに絶滅したとされていた。つまり、關教授の“発見”は、70年以上の沈黙を経て戦後初めて箱根の山に熊が確認された瞬間だったのだ。
「暮らしていける環境は整っている」
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生息が確認された2017年以降、箱根町ではコンスタントに目撃情報が出ており、糞や足跡などツキノワグマの痕跡もたびたび確認されている。箱根駅伝の往路「5区」、復路「6区」のコース風景からも見て取れるように、緑豊かな箱根の山は熊にとっても暮らしやすい環境なのだろうか。關教授は語る。
「箱根の7割以上は森林です。ヒノキなどの木も多く、そういう環境は林床が暗くなって下層に植物が生えてこず、熊の餌もないという感じになってしまうのですが、箱根の山には広葉樹のコナラやブナもある。どんぐり類を食べる熊が暮らしていける環境は十分に整っていると思います」


