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全国高校駅伝3年ぶり入賞で「ホッとして謎の発熱」した12年前…佐久長聖高・高見澤勝監督が“開眼”したわけ「こうやればいいんじゃないのか」
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高見澤勝Masaru Takamizawa
photograph byYuki Suenaga
posted2025/12/25 17:05
監督就任4年目の2014年頃、指導の感覚をつかんできたという高見澤勝監督。次第に佐久長聖高は安定した成績を残す強豪校となっていった
練習に関しては全国高校駅伝前のメニューはほぼほぼ固定されているんですけど、選手の状態、気象条件などを加味しながら、状況に応じて練習の中身をコントロールできるようになりました。
また自分自身もコントロールできるようになってきました。コーチ時代は一緒に走っていたこともあり、気づいたことをすぐ選手に伝えていましたが、監督になってワンクッションを置いたタイミングで声をかけることが多くなりました。選手に伝えること一つひとつが適切かどうか。踏み出す前に少し考えたうえで、子どもたちに伝えられるようになったと思います。
声のかけ方は、本人の調子の良し悪し、気分の浮き沈みで変えています。子どもたちの状態だけじゃなくて性格も考えながら、ここは厳しく声をかけた方がいいなとか、ここはあえて慰めた方がいいなとか。その子の性格やタイミングでちょっと使い分けるようになりました。それまではどちらかというと思ったことをガーと言うことが多かったんですけど、ときには優しい言葉をかけて、緩急をつけるようになったんです。
優勝への新たな課題
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子どもたちを常に見てきて、一人ひとりの調子の良し悪しを判断しながら、こういうことをやっていこうと、ひらめくんです。それをうまく重ねることができた結果が全国高校駅伝の準優勝につながりました。ただし、優勝した世羅高校(広島)とは2分近い大差がありました。この差をどう埋めていくのか。指導者として自信をつけたと同時に、新たな課題が見つかりました。
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