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「ヤマに“負けるという選択肢はない”」ロバーツ監督もカーショウもフリーマンもドジャースOBも山本由伸に感嘆「この上なく特別」LA紙が聞いた話 

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ジャック・ハリス

ジャック・ハリスJack Harris

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photograph byROBERT GAUTHIER/Los Angeles Times

posted2025/12/24 06:03

「ヤマに“負けるという選択肢はない”」ロバーツ監督もカーショウもフリーマンもドジャースOBも山本由伸に感嘆「この上なく特別」LA紙が聞いた話<Number Web> photograph by ROBERT GAUTHIER/Los Angeles Times

ワールドシリーズで圧巻の投球を見せた山本由伸がベンチに戻ると、大谷翔平らチームメイトは特大のリスペクトで迎え入れた

「そんなこと、誰も予想できなかったと思うよ」と述べ、「もしかしたら、野球が本来あるべき姿、そして戻るべき方向を示しているのかもしれないね」と口にした。

「先発同士の真っ向勝負は、いつだって見応えがある」とカーショーは付け加えた。

「試合終盤まで投げ切る彼の姿を見て、将来に向けて何かいいヒントになればいいね」

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 とはいえ、今回の偉業が持つ歴史的な重みを思えば、それだけで十分すぎるほどの価値がある。

 そのあまりの衝撃に、パサデナで試合を見守っていたハーシュハイザーは、ただ「畏敬の念に打たれた」と語った。

 ドジャースの球団史でポストシーズンに連続完投を記録した投手は、ハーシュハイザーのほかにはサンディ・コーファックス(2度達成)、ジョニー・ポドレス、ウィット・ワイアットだけだ。

「今の投手だって、昔の野球で求められていたことをすべてこなす能力はある」と彼は言う。

「ただ、今はそれとはまったく違うものを期待されていて、役割もトレーニングもその前提に基づいているだけなんだ」

 だからこそ、山本のポストシーズンでの活躍は唯一無二と言える。

ヤマの投球を…この上なく特別なことだ

 彼はこうした常識に縛られることなく、近年どの投手も到達していない高みに上り詰めた。

 40年の時を経て、(ポストシーズン3度の先発では最高となる防御率1.57という結果を残し)山本はハーシュハイザーと肩を並べる存在となった。

 今季もあと3勝すれば、その当時と同じ栄冠を勝ち取り、トロフィーを再び掲げることになる。ハーシュハイザーはこう語った。

「彼の投球を目にできるというだけで、この上なく特別なことなんだ」
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Los Angeles Times

 アメリカ最大規模の日刊紙。1881年創刊。142年以上にわたって地元南カリフォルニア地域を中心に取材を行い、政治や社会、文化、スポーツなどの記事を精力的に報道。優れたジャーナリズムに対して贈られるアメリカで最も権威のある「ピューリッツァー賞」を何度も受賞している。ウェブサイト(latimes.com)のユニーク訪問者数月間4000万人以上、日曜版の読者数160万人、紙版・電子版の週間読者数合計440万人を誇る。

児島 修(こじま・おさむ)

 英日翻訳者。訳書に『OHTANI'S JOURNEY 大谷翔平 世界一への全軌跡』(サンマーク出版)、『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ダイヤモンド社)、『ペドロ・マルティネス自伝』『ダン・カーター自伝 —オールブラックス伝説の10番—』(東洋館出版社)、『ウルトラランナー: 限界に挑む挑戦者たち』(青土社)など。

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