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「大谷翔平が疲労困憊」「WS敗北まで2死」“究極の試練”でドジャースが奇跡を…「ロハスのように報われるんだ」LA紙に語ったフリーマンらの本音
posted2025/12/22 06:04
死闘となったワールドシリーズ第7戦を制し、歓喜に沸くドジャースナイン。その中で大谷翔平がトロフィーを掲げる
text by

ジャック・ハリスJack Harris
photograph by
GINA FERAZZI /Los Angeles Times
書籍「DODGERS’ JOURNEY(ドジャース・ジャーニー) 大谷翔平・山本由伸 みんなでつかんだ世界一」(サンマーク出版)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
驚くべき底力こそ、ドジャースの本質
フォールクラシック(ワールドシリーズ)で、ドジャースの無敵の輝きは打ち砕かれる。打線は沈黙。ただ1人、山本だけが気を吐き、これまでどおり支配的なピッチングを披露した。だが、長らく不安視されてきたブルペンは、ついにほころびを見せる。そしてシリーズのあらゆる局面で(ブルージェイズが得点ではドジャースを34対26で上回り、チーム打率も.269対.203と大きく差をつけたように)、ドジャースは劣勢に立たされているように見えた。
「全体的に見て、あまりいいプレーはできなかった」とフリードマンは語る。
「でも、ここぞという場面では、選手たちが驚くべき底力を見せた。そこに、このチームの本質があると思う。貪欲に勝利を求め、仲間を深く思い、どれほど切実に2年連続の栄冠をロサンゼルスにもたらそうとしたか」
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第3戦では、延長18回に及ぶ死闘をドジャースが制した。思いがけない救世主となったのは、無名のリリーフ投手、ウィル・クライン。今季の大半をマイナーで過ごした男が、4イニングにわたる渾身の投球で勝利への道を切り開いた。
ロハス「どんな状況でも、今この瞬間に」
第6戦の9回、得点圏にランナーを背負い、ワールドシリーズ敗退へと流れが傾きかけた。しかし、ベテラン2人の研ぎ澄まされた野球勘が危機を救う。
キケ・ヘルナンデス(レギュラーシーズンでは出場機会が限られていたものの、プレーオフは全試合で先発出場。10月に勝負強さを発揮することで知られるムードメーカー)と、ミゲル・ロハス(2023年にマイナーリーグの有望選手とのトレードで加入以来、夏は控えに回ることも多かったが、チームの精神的支柱の1人)が瞬時にダブルプレーを決め、勝利をつかんだのだ。
