大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
ドジャース・山本由伸「僕の練習は基礎ばっかり」“地味なルーティーン”を、なぜチームメイトも首脳陣も称賛するのか? 調整中の“大暴投”も実はスゴかった
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斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byGetty Images
posted2025/12/17 06:00
日々の地道な調整が、山本由伸の安定した活躍を支えていた
「外れるのも方向があって。同じ感覚で(相手の)胸をめがけてずっと投げていって、真っすぐ真上にスパーンって飛んでいくのはOK。投げた力感と、球の出方と、その先の伸び方。うまく軸足に乗って、左足をしっかり踏み込んで、いいポジションでいく。よく僕はいいバランスで投げると言うんですけど、力を入れた時じゃなくてもスーッと伸びていく球が出るフォームはいいんです」
遠投が終われば、投手と捕手の距離18メートル前後の短距離で、思い切り腕を振る。そして、超至近距離の壁当てを行うのもルーティンの1つだ。約100メートルの遠投もあれば、2~3メートルの壁当てもある。
「どちらも大切。小学校、中学校の時から、まっすぐと変化球は同じ投げ方で投げようって言うじゃないですか。そういう基本的なことをできるようにする確認。思いっきりキャッチボールをしていると、ちょっと(リリースのタイミングや感覚が)ズレたりするので。壁相手だと、リラックスできる。欲なく、じゃないですけど、いいフォームで投げられる」
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再現性を高めるために、それぞれのルーティンワークには意味がある。
明かした本音「僕の練習は基礎ばっかり」
17年にドラフト4位でオリックスに入団し、21年から3年連続で沢村賞を獲得。日本を代表する投手としてドジャースに移籍し、世界一の投手と称される地位を確立した。負けられない試合では何度もチームを救い、勝負強さが光った。

