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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「消えろ」「大嫌い」SNSでの誹謗中傷も…“女子プロレス界の貴婦人”桜井麻衣の壮絶体験「支えてくれたのはジュリアさんでした」《特別グラビア》
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/12/05 17:35
マリーゴールドで活躍する桜井麻衣。フェリス卒の“お嬢様レスラー”として知られるが、デビュー後の道のりは壮絶なものだった
「最後はジュリアさんの技を私に出してくるっていうプロレス脳の良さとか、難易度の高い新フィニッシュ技をこの日のために磨いてきたことも含めて、この試合にかける思いの強さを感じました。弓月とUNをかけて戦えて良かったと思っています。とても強かった、本当に。負けたことは本当に悔しい。でも、私が大切に守ってきたUNのベルトで、これから弓月がどんな風に防衛ロードを歩んでいくのかすごく楽しみです」
「エリートじゃない、泥臭い私だからこそ」
ベルトを失っても、桜井の気持ちはまったく萎えていない。
「私は今まではベルトと共に成長して、ベルトに輝かせてもらった。でも、ベルトのない今だからこそ言える。丸腰になってもベルトを持っている人よりも輝いてみせる」
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後楽園ホールでの復帰戦の後、桜井はワールド王者・青野未来の前に姿を見せた。そして来年1月3日の大田区総合体育館での赤いベルトへの挑戦を表明した。
「赤いベルトを獲った青野未来は縁のある人。私のデビュー戦をしてもらって、あれから5年、またここで再会して、今年の1.3大田区でUNをかけて戦って、私が勝った。『DREAM STAR GP』では自分の技をかけられて引き分けて、優勝戦に進めなかった。赤いベルトをかけて決着をつけたいという気持ちです。そのために早くリングに戻ってきたし、来年の1.3大田区も青野未来と2年連続、同じ場所で同じカード。今年の純白のベルトから、来年は真紅のベルトをかけて戦えるのは運命的だと思っています」
「1月の時、(青野が)『桜井への声援で心が折れそうになった』と言っていたけれど、自分としては青野未来が輝いていた時に心が折れそうになったこともあった。来年も1.3から、私の年にしてやります」
桜井は赤いベルトへの闘志を見せた。
「4年前に(スターダム時代の)小川さんのもとでプロレスをやらせていただくことになり、リングの上で、『てっぺん目指して頑張ります』って言ったことを実現させるという思いで一つ一つ積み重ねて、やっとここまで這い上がってきました。エリートなんかじゃない、泥臭い私だからこそ、自分の努力で獲れるっていうのを証明したい。そして私には真紅のベルトを獲った先にさらに叶えたいことがある。それを叶えるためにも、青野未来には絶対に勝たなければいけない」
<後編へ続く>


