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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「消えろ」「大嫌い」SNSでの誹謗中傷も…“女子プロレス界の貴婦人”桜井麻衣の壮絶体験「支えてくれたのはジュリアさんでした」《特別グラビア》
posted2025/12/05 17:35
マリーゴールドで活躍する桜井麻衣。フェリス卒の“お嬢様レスラー”として知られるが、デビュー後の道のりは壮絶なものだった
text by

原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
ベルトを失って聞いた“リアルなファンの声”
マリーゴールドの“超貴婦人”桜井麻衣は11月17日にリングに戻ってきた。桜井は10月26日の両国国技館大会でビクトリア弓月に敗れて、1月から保持していたユナイテッド・ナショナル(UN)王座を失った。
「ベルトを失って丸腰になりました。また深いドン底へ落ちてしまったような感じ」。無冠になった桜井は不安だった。試合後に行われたパーティーでファンから声をかけられた。
「その時、100人くらいの人と話したんです。『負けたのにこんなこと言うのは失礼かもしれないけれど、試合よかったよ』と言ってもらえた。もちろん、負けて悔しい。残念というのはある。でも、負けたけど『さらに上に行ってほしい』『次は赤いベルト(ワールド王座)狙ってください』という言葉が多くて、すごく自信になりました。前向きになれた。落ち込んでる場合じゃない。今日の悲しい結果で感傷に浸ることより、先のことを前向きに考えて、来年こそは私の年にしようって」
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桜井は前を見た。
「私は落ちた時の方がギラつくんですよ」
数カ月前、桜井に「指が曲がらないんです」と手を見せられたことがある。
「手の指が折れていました。このままやれないこともなかったですが、ちゃんと治したい。他に痛めてる箇所もこの機会に治そうと思っていました」
こんな経緯もあり、3週間休んで、桜井はリングに戻ってきた。
「休んでいる間、アスリートで使っている人が多いというマシンを使ったトレーニングをしたりしました。怪我していても負荷をかけずにトレーニングができて、血流も活発になって体の動きが良くなる。通常のトレーニング後や試合後でも、筋肉がほぐれるし、リカバリーとしても使えるマシン」
桜井はよくトレーニングするし、研究熱心だ。
「格闘技も見に行ったんです。しかも両国国技館で。お客さんが普段見ている視線から試合を見てみることって大事だなと思いました。第1試合から10何試合まであったんですが、後半の試合って技のキレからして違うんですよ。前半と後半ではレベルが違う。それが初めて来た人にも伝わってしまう。この人はうまいとか。それはマリーゴールドのリングでも言えること。もっともっと頑張らなきゃいけないってやる気がみなぎりました」


