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「胸元から乳首が見える写真を狙われ…」キューティー鈴木52歳が語る、アイドルレスラー時代の“性的画像被害”と過酷な生活「月給は8万円」
posted2022/05/19 17:01
text by
伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph by
Takuya Sugiyama/AFLO
肌の露出が高めのコスチュームをまとった女性アスリートは、“非競技”写真に悩まされる。胸やでん部、秘部にフォーカスした盗撮だ。この数年で、現役やOGが声に出して苦悩を訴えるようになった。それでも、インターネットで一度でも公開された画像は、デジタルタトゥーとなって残る。トップアイドルレスラーだったキューティー鈴木は、その格好のターゲットだった。当時の悲痛な本音を聞いた。
◆◆◆
キューティー鈴木(以下、キューティー) 私たちのころは今みたいにネットがなくて、雑誌しかない時代。プロレス雑誌以外の雑誌ではやっぱり、胸元、お尻ばかりの写真を集めたものがよく出ていましたね。だからって、声に出したところでなくならないだろうっていうのが、最初から頭にあった。私の時代にはじまったことではないから、もう仕方ないことなんだって思ってました。
スポーツをやってる女性たちは、純粋に闘っている姿を観てもらいたいっていうのがありますよね。私たちも、そういう(性的な)目で見られたいと思って水着を着てるわけではないし、やっぱり闘いを観てもらいたかった。最近になって声をあげた人は勇気がいっただろうし、これを機に、正当に観てもらえるスポーツになってくれればいいなぁと思います。
「胸元から乳首が見える写真を狙われて…すごいショックでした」
――セクシャリティーが強調される写真が出回ることは、当時も嫌でしたか。
キューティー そりゃ、嫌ですよ。ほんとに傷つく人だと、そのスポーツさえ嫌になってしまって、表に出たくなくなると思う。一生懸命積み重ねてきた努力がそんなことで消えてしまうのは、もったいない。ちゃんと声に出して、周りもサポートしてあげてほしい。
――当時の嫌なエピソードはありますか。
キューティー ロープに逃げるときに、胸元から乳首が見えてるか見えてないかっていう微妙な写真が、ある写真週刊誌に載ったんですね。リングサイドで撮っていたカメラマンだったので、てっきり試合写真だと思ってたら、そういうことが目当ての写真。なんであんな写真を出すんだろうって、すごいショックでした。会社の人にも言いましたよ、「ちゃんとした写真を載せるように」と。「もし男性目線の写真を撮るのであれば、取材で入ってほしくはないです」と。